170.残されたのは?
アカネ「えー、じゃあ、話を整理しますが……。もうこれで全員新しい呼び方は決まりましたか?」
ダイゴ「僕決まってないよ」
ミドリ「あ、そうか……。ダイゴはいちばん下だもんね」
モモコ「どうするダイゴ? 『モモちゃん』の私みたいに『ダイちゃん』とかにする?」
ダイゴ「ダイゴのままがいい」
アカネ「じゃあ、ダイゴはそのままってことで……。あとまだの人は?」
タダシ「僕が決まってない」
チャコ「『お兄ちゃん』の呼び方って、他にどんなのがあるの?」
アオイ「そうねえ……、兄上とか、兄者とか、あんちゃんとか……」
タダシ「あ、今の! 最後の、もう1回言って」
アオイ「え? 兄者?」
タダシ「その次!」
アオイ「あんちゃん」
タダシ「僕、『あんちゃん』がいい。『あんちゃん』にする」
アカネ「じゃ、タダシも決定。えっと、後は……」
ミドリ「あのーー。私……」
アオイ「あ、ミドリがまだだよねーー」
キイロ「ミドリだからーー、『ミドちゃん』? それとも『ドリちゃん』にする?」
ミドリ「それでね、みんな忘れてるかもしれないんだけど」
11人「うんうん」
ミドリ「『ねえね』を誰にするか保留になってたでしょ。あれ、私ってことでダメかな?」
アオイ「あーー」
アカネ「そういえば」
キイロ「『ねえね』のこと忘れてた」
ミドリ「どうかな?」
モモコ「いいんじゃない、ねえね」
チャコ「私も賛成、ねえね」
キイロ「モモコとチャコが呼んでるんじゃ、しょうがないかーー。じゃあ、『ねえね』はミドリね」
アカネ「よし! これで無事、全員の新しい呼ばれ方が決定しました。ダイゴ、確認の意味で、みんなのこと、呼んでみてくれる?」
ダイゴ「うん、いいよ。にーに」
ツヨシ「ああ」
ダイゴ「アオねえ」
アオイ「はい」
ダイゴ「アカねえ」
アカネ「はあい」
ダイゴ「アニキ」
ハヤト「おう」
ダイゴ「アネキ」
キイロ「アネゴじゃないからね」
ダイゴ「コウちゃん」
コウジ「うん」
ダイゴ「ねえね」
ミドリ「うふ、はーい」
ダイゴ「ヒロにい」
ヒロシ「あいよ」
ダイゴ「モモちゃん」
モモコ「なにかなー」
ダイゴ「あんちゃん」
タダシ「うん」
ダイゴ「チャコちゃん」
チャコ「なんか、友達みたい」
無事に新しい呼び方も決まった。
人前ではちょっと呼びにくいのもある。
兄弟だけの時と他人がいる時とで、自然と使い分けもなされていった。