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149.おにぎり と おむすび
今日はヒロシ(小4)が小学校で社会科見学に出かける日。
朝、ヒロシの弁当用にアオイ(大1)がご飯をまるく握っていた。
「あ、今日はおむすびだね」
キッチンを覗き込んでヒロシが言った。
「ふふ、これはおにぎりよ」
アオイが言った。
「え? おにぎり? おむすびじゃないの?」
「ないの」
「どうして?」
「ある説によるとね、山の神様へのお供え用に山の形にしたのがおむすびなんだって。つまり、山の形だから、おむすびは三角形。これは丸いからおにぎりよ」
「へえーー、そうなんだ」
「じゃあ、次のはおむすびにしとくね」
アオイは、2こ目を三角に握り、おむすびを作った。
「3こ目はこんなのどうかな?」
アオイは3こ目に四角いおにぎりを作った。
「お姉ちゃん、器用だね」
この日のヒロシのお弁当箱には、○△□と、3種類の形のおにぎりが仲良く並ぶ事となった。