147.成功の秘訣
連日記録的な猛暑が続いている夏。
何日も雨が降らない。
植物もぐったりし、そろそろ農作物への影響等も報道され始めた。
「毎日暑いなあ」
うちわであおぎながらコウジ(中1)が言った。
「雨乞いの踊りでもしたくなるね」
同じく自身をあおぎながらミドリ(小5)も応じる。
「そういえば、アフリカに必ず成功する雨乞いの踊りをする人たちがいるそうよ」
アオイ(大1)が言った。
「必ず成功するの? どんな踊り?」
興味深げにキイロ(中2)がたずねる。
「それ、俺たちシブリンズが踊ってネットで公開したら、少しは世の中の役に立つかな?」
ハヤト(高1)も興味を示した。
「いや~~、それは難しいかな……」
「どうして? 振り付けが複雑なの?」
どんな振り付けでも踊ってみせるという表情でモモコ(小2)がアオイに問いかける。
「そうじゃなくて……、すごく体力が要るというか」
「体力なら自信あるぜ」
「私も」
「僕も」
夜のランニングを日課にしているハヤト、キイロ、ヒロシが胸を張る。
「じゃあ、一応言うけど……。そのアフリカの人たちに、『どうしていつも必ず成功するんですか?』って聞いた人がいたんだって」
「うんうん」
弟妹たちはアオイの説明に聞き入った。
「そのアフリカの人たちは答えたそうよ。『雨が降るまで踊り続けるからです』」