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142.パチパチして
「目が痛い。ゴミが入ったみたい」
ダイゴ(年少)が目を押さえながらアオイ(大1)の元へ来た。
「見せてご覧」
アオイがダイゴの目を見る。
「目薬さしてあげようか」
「目にさすの? こわい」
「大丈夫。あ、こすっちゃダメだよ」
アオイは、目薬を用意すると親指と人差し指でダイゴの目を開き、目薬を構えた。
「痛くない?」
「大丈夫」
「しみない?」
「大丈夫」
アオイは目薬を一滴落とした。
「ほら、大丈夫でしょう? パチパチして」
目をまばたかせようとアオイは言ったのだが、ダイゴは一生懸命、両手をパチパチした。




