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131.逆転! カメンダー姉弟

 下品な笑いを浮かべながら、男たちが迫ってきた。

 アカネ(高2)とハヤト(高1)は背中同士をくっ付け、構えた。

「この野郎!」

 1人が、ハヤトに襲い掛かってきた。

 ハヤトはその腕を取り、一本背負いで投げ飛ばした。

「!」

 驚く男たち。

「てめえ」

 男たちはナイフを出した。

 その時――。

 キキキキーーッとタイヤを軋ませて、1台のワンボックスカーが倉庫の前に止まった。

 中から飛び出してきたのは、ツヨシ(大2)とアオイ(大1)だった。

 実は、アカネがオートバイで引ったくり犯を追いかけている間、後部座席のハヤトが携帯電話でツヨシとアオイに連絡を入れておいたのである。

 ツヨシとアオイは、GPS機能でアカネとハヤトの携帯電話を探知し、この倉庫に駆けつけてきたのであった。

「アカネ、ハヤト、大丈夫か!?」

 ツヨシが叫んだ。

「兄さん!」

「気をつけて、こいつら刃物持ってる!」

 ハヤトとアカネが応じる。

 ツヨシは倉庫内に駆け込んだ。

「全員まとめて片付けてやるぜえ」

 ナイフを持った男たちの何人かが、ツヨシに襲い掛かった。

 だが、その男たちのナイフを、ツヨシの長い足から繰り出される蹴りが叩き落とした。

 ツヨシは空手の有段者だ。

 ハヤトもまた、いくつかの格闘技を心得ている。

 兄弟のコンビネーションで、引ったくり犯の仲間たちは全てなぎ倒された。


「お手柄カメンダーレディ。引ったくり犯とらえる」

 翌日の新聞には、こう見出しが載った。

 志武兄弟たちは、犯人逮捕への協力は称えられつつも、危険な真似は今後しないようにとの指導を警察より受けてしまった。

 もっとも、自分たちの兄姉が現実世界で正義の味方として大活躍したのだから、志武家の弟妹たちはみな大得意であったが。

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