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130.臨戦! カメンダー姉弟

 引ったくり犯のオートバイは、国道を逃げていく。

 アカネ(高2)のオートバイがみるみる追い上げてきた。

「お、おい、カメンダーレディが追いかけてくるぞ」

 引ったくりの実行犯が、バイクを運転している相方に言った。

「なにぃ?」

 運転者はバックミラーを見た。

 確かに、カメンダーレディが、オートバイの後部座席になぜか敵の戦闘員を乗せて追いかけてきている。

「ふん、ぶっちぎってやるぜ!」

 引ったくり犯のオートバイはスピードを上げた。

「逃がすか!」

 アカネもアクセルを開ける。

 走行している他の車をジグザグに抜いて、一気に引ったくり犯のオートバイ間近まで迫った。

「これなら、どうだ!?」

 引ったくり犯のオートバイは急旋回して、細い路地に入った。

「馬鹿野郎!」

 直進してきた対向車がぶつかりそうになり、運転者が怒声を上げる。

 アカネのオートバイは、その車の後ろと、後続車両のわずかな車間を猛スピードで駆け抜け、引ったくり犯のオートバイを追尾した。

「くそう、しつこいぜ!」

「そんなら、返り討ちにしてやろうぜ」

 引ったくり犯2人組は、埠頭へオートバイを走らせた。

 追いかけるアカネのオートバイ。

 引ったくり犯はオートバイを港の倉庫の一つの前に乗り捨てると、倉庫の中に逃げ込んだ。

 アカネもオートバイを倉庫につけた。

「袋のネズミだぜ」

 ハヤト(高1)がバイクを降りて倉庫に向かう。

 アカネも後を追った。

「出て来い、ドロボーめ!」

 倉庫の中でハヤトが叫んだ。

 一瞬の間。

「へっへっへっ……、威勢がいいな坊や」

「たった2人、しかも1人は女で、俺たちにかなうと思うのか」

「大人のこわさを思い知らせてやるぜ」

 周囲にガラの悪い10人の男たちが現れた。

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