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128.夢でも特訓
ハヤト(高1)、キイロ(中2)、ミドリ(小5)の、いつもの夜のランニング。
この日、ミドリはバスケットボールを持っていった。
ランニングコースの途中に公園がある。
そこで、ハヤトにコーチしてもらうのだ。
キイロも練習に加わった。
ミドリがドリブルでハヤトを抜き、キイロにパスするのだ。
ランニングから戻り、3人で入浴している時も、ミドリはボールを投げる手付きを練習している。
それを、「ここは、こうだ」という風にハヤトが手を添えて直す。
寝る時も、布団の上でミドリは手付きの練習をしている。
シャドウボクシングならぬ、シャドウパス、シャドウシュートだ。
「アニキ、こうかな?」
「いや、こうだぞ」
皆が寝静まった夜中の寝室にての、ミドリとハヤトの声。
「ふぇっ?」
2人の寝言の会話でびっくりしてキイロは目を覚ました。
寝ているというのに、夢の中でまでミドリは練習していたようだ。
同じくハヤトも、夢の中でまでコーチしていたようだった。