124.見えちゃったんだ
「そういえば、今の小学生は男子も女子も体操服は紺のハーフパンツだよな」
ツヨシ(大2)が言った。
ミドリ(小5)のスクール水着がセパレートで、下がハーフパンツになっていることから連想したのだ。
「俺たちが小学生の頃は、ちょうど体操服の切り替わりの頃だった」
ツヨシが言えば、アオイ(大1)も、
「うん、そうだった。どちらも選べたんだけど、女子はみんなブルマがいやだったから、一斉にハーフパンツになったんだよね」
と、同調する。
以下、ツヨシとアオイの思い出話。
「もったいないから、それまで使っていた物を使い続けてもいい――という事だったから、男子にも従来の白の短パンの子と、ハーフパンツの子と両方いたよ」
「下が紺色なのは女子――というイメージが強かったから、紺色のパンツをはくことに抵抗がある男子もいたみたい」
「ま、慣れだけどな。女子もだろうが、ハーフパンツになって男子も良かったんだよ」
「ああ、そうだよねー」
それまで兄姉2人の会話を黙って聞いていたタダシ(小1)が、
「へえー、どうして? 何が良かったの?」
と、質問した。
ツヨシが答える。
「白い短パンって、けっこう短いんだよ。だから下着がよく見えてしまったし、場合によっては、さらにその中が見えてしまうことがあった。だから、男子もいやだったんだ」
「えー、その中が!?」
と、タダシが仰天すれば、
「やだーー」
と、モモコ(小2)も笑いながら反応。
最初っからハーフパンツ世代の2人には、短パンやブルマ、そして男女で体操服が異なるということが、ちょっとびっくりであったようだ。