表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

123/340

122.脱がせて~~

「あーん、もう、いやーーー」

 ヘルメットの中で叫びながらアカネ(高2)は400ccのオートバイを走らせていた。

 天気予報にもなかった突然のゲリラ豪雨で、オートバイで出かけていたアカネはびしょ濡れになってしまったのだ。

 自宅に帰りく頃には、下着までぐっしょり。

「ただいまーー」

 アカネは水滴をしたたらせながら玄関のドアを開けた。

「おかえりーー」

 オートバイのエンジン音で帰宅を察していたヒロシ(小4)とモモコ(小2)が迎えに出てきた。

「うわあー、お姉ちゃんすごいねー」

とモモコが言えば、

「引っ張ってあげるから、とにかく脱ぎなよ」

とヒロシも言う。

「うん、お願い」

 上着の前ボタンを全て外し、開く。

 両手を後ろに回し、ヒロシとモモコに片腕ずつ服を引きはがしてもらう。

 パンツ(ズボンのこと――念のため)もヒロシとモモコに2人がかりでおろしてもらった。

 ぴったりタイトなものを身に着けていたため、びっしょり濡れてどうにも脱げなくなってしまっていたのだ。

「お姉ちゃん、背中のホックも取ってあげようか?」

「うん、頼もうかな」」

 アカネがモモコの申し出を受ける。

「あたしも早く胸にこういうの着けられるようになりたいな」

「だいじょうぶ。直ぐだよ」

「姉ちゃん、これで床をぬらさないで風呂場まで行けるよーー。お風呂わかすスイッチも入れといたーー」

 風呂場までタオルを敷いて道を作ってくれたヒロシが言った。

「ありがとう、助かったーー」

 濡れた衣類をまとめて抱えると、さっそく敷かれたタオルの道にポタポタしずくを落としながら、アカネが浴室に向かった。

 浴室に入る時、アカネが大きな声で誘った。

「ヒロシとモモコも、もう一緒に入っちゃおーかー」

「どうするお兄ちゃん?」

「姉ちゃんの服脱がせる時、ちょっと僕たちも濡れちゃったしな。入っちゃおうか」

 その日の一番風呂に仲良く入る3人であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ