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121.くすぐりの刑
「助けて~~!」
ミドリ(小5)の叫び声がした。
「どうした!?」
声を聞いてハヤト(高1)が駆けつけてきた。
クローゼットからミドリが足だけ出している。
中の物が崩れ、はさまれて動けなくなってしまったらしい。
「な……、何やってんだ?」
「で……、出られなくなった。助けて」
「分かった。――けど、その前に」
「その前に?」
「こちょこちょこちょこちょ……」
「きゃはははは」
「こちょこちょこちょこちょ」
「や、やめて~~、もう、アニキ、後で覚えていてよ!」
「あ、そんなこと言っていいのかな? こちょこちょこちょこちょ……」
「わ、分かった、こーさん! お兄さま、やめて、もーだめーー!」
やっとミドリを引っ張り出してやったハヤトだが、その後、ぷんぷんのミドリから、くすぐり攻撃10分間我慢の刑に処せられてしまったのであった。