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11.いっしょに寝ちゃおう

 実はツヨシ(大2)はプロ漫画家だ。

 「志武りんぐ」というペンネームで月刊誌に連載している。

 月に1度、〆切前の志武家は騒然とする。

 アオイ(大1)を筆頭に、タダシ(小1)までの弟妹9人が総がかりでアシスタントを務めるからである。

 小学1年生だって、原稿に消しゴムかけるくらいの事はできるのだ。


 〆切の迫ったある日の夜。

「そろそろ9時だわ」

「誰か、チャコとダイゴを風呂へ入れろ」

「今、手が空いている人?」

「僕、ちょうど、これ上がった」

「じゃあ、ヒロシ頼むな」

 ヒロシ(小4)がチャコ(年中)とダイゴ(年少)を連れて風呂に入った。

「チャコとダイゴが出たら、モモコとタダシも入って寝なさい」

「はーい」

「分かった」

 チャコ、ダイゴと交代で、モモコ(小2)とタダシ(小1)が浴室へ。

 ヒロシは続投。

「誰か、チャコとダイゴを寝かしつけて」

「今、手が空いているのは?」

「私、いけるよ」

「ミドリ、お願いね」

 ミドリ(小5)がチャコとダイゴの体をよく拭いてやり、パジャマを着せて部屋に連れていった。

「お姉ちゃん、絵本読んでー」

「あたし、これがいい」

「分かった、分かった。じゃあ、寝るまでね」

 ミドリは、チャコ、ダイゴと一緒に布団に入って絵本を読んでやり始めた。


「ふーー、まいった、まいった」

 長風呂になり、ヒロシはちょっとのぼせ気味だ。

「ありがとうヒロシ。モモコやタダシといっしょに寝ちゃって」

「うん、そうする」

 もう10時近くだ。

 ヒロシも、モモコ、タダシらと寝る事にした。


「そういえば、ミドリは?」

「ミドリもそろそろ寝かせないと」

 その心配は無用だった。

 チャコ、ダイゴに絵本を読んでやりながら、ミドリも寝てしまっていたからである。

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