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115.アイス買ってあげる
夜、キイロ(中2)がリビングに来て言った。
7人の弟妹たちが居た。
ハヤトはキッチンで洗い物中。
上の3人の兄姉たちは別室で仕事だ。
「ちょっと、コンビニ行きたいんだけど……、誰か一緒に行かない?」
誰も反応が無い。
「ねー、コウジ行かない?」
「う~ん、特に用無いし」
「ヒロシは?」
「う~ん、特に用無いし」
「コウジの真似したでしょ」
「姉ちゃん、すぐそこなんだから1人で行ってきなよ」
ヒロシが言うが、
「だって暗くてこわいんだもん」
キッチンからハヤトの声がした。
「しょうがないな。待ってろ、キイロ。もう直ぐ終わるから」
「うん、ありがと。――お礼にアイス買ってあげるね」
「いいよ、俺が買ってやる」
「アイス買ってくれるの? 僕、行くーー」
「私もーー」
ダイゴとチャコがアイスに反応した。
「じゃあ、僕も買ってーー」
「そんなら、私も一緒に行くーー」
タダシ、モモコら、弟妹たちも次々に反応し、結局9人でぞろぞろ近くのコンビニまで出かけたのであった。
もちろん、アイスは、仕事中の兄姉3人の分も忘れずに買って帰った。