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114.みんなですべり台

 ツヨシ(大2)とアオイ(大1)が、チャコ(年中)とダイゴ(年少)を公園に連れて来た。

 ちょっと遠目には、幼い子を2人連れた若い夫婦に見えなくもない。

 チャコとダイゴは、飽きもせずに代わる代わる何度もすべり台をすべっている。

 辺りが薄暗くなってきた。

「チャコ、ダイゴ、そろそろ帰るぞ」

「うん、分かった」

「じゃあ、あと1回ね」

 ツヨシに言われて、チャコとダイゴはそう答えたが、すべり終わると、

「ねー、もう1回いい?」

「いいでしょ」

と、つぶらな瞳で兄姉にお願いする。

「しょうがないなーー。じゃあ、あと1回な」

 ところが、それが終わると、また同じことの繰り返し。

「兄さん甘いんだから。ほら、もう、帰るわよ」

 アオイがチャコとダイゴに言った。

「じゃあ最後に4人でいっしょにすべったら終わりにする」

「うん、そうする」

 チャコとダイゴが別の案を出してきた。

「じゃあ、本当にこれで終わりだからね」

 アオイが、すべり台のはしごを昇り始めた。

「アオイ、スカートだろ。見えちゃうぞ」

 ツヨシが注意したが、アオイは気にもせず、

「へーき、へーき。誰もいないし。――見るの、兄さんだけだよ」

「見ないっつーの」

「ほら、兄さんも」

と、ツヨシを促した。

「じゃあ、すべるか」

 すべり台に、前から順にダイゴ、チャコ、アオイ、ツヨシと、縦にくっついて並んですべり降りた。

「けっこう楽しいね」

と、アオイが言えば、

「今度、私がいちばん前がいい」

とチャコ。

 じゃあ、ということで、今度はチャコが先頭ですべり降りた。

「おもしろーい」

 チャコもダイゴも大喜び。

「じゃ、今度こそ、本当に帰るぞ」

 そう言うツヨシにアオイが言った。

「兄さん、今度、私が先頭であと1回」

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