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113.あったかいねーー
雪も散らつく冬の日。
この日はコウジ(中1)が、幼稚園にチャコ(年中)とダイゴ(年少)を迎えに行った。
帰り道。
コウジの両側でチャコとダイゴが手をつなぎ3人で歩いていた。
「あったかいねーー」
「うん、あったかいねーー」
と、チャコとダイゴ。
「そうか、寒いだろ?」
と、コウジ。
「違うよ。兄ちゃんの手があったかいんだよ。ねーー」
「ねーー」
コウジをはさんで、チャコとダイゴが声をかけ合う。
「そっかーー。じゃ、帰ったら一緒に風呂入って、もっとあったまろーなー」
「わーい」
「わーい」
気温はどんどん下がってきたが、3人の心はほかほかであった。