夏の中の雪 弐
ハァ・・ハァハァ・・・
全力
ただいま・・・
ハァハァ・・・ハァ・・ハァハァ・・・
ただいま絶賛全力疾走中っっっ!!!
どうしてこうなった。どうしてこうなった!?
何で走ってるかって??
それはこっちが聞きたい。
何故今俺は走ってる??
俺もそろそろ止まりたい。
なんかもう足止めれば、足が「あはは~うふふ~」状態だと思うよ。絶対。
で、まぁもう茶番はいいとしてだな・・・。
俺もう、かれこれ20分くらい走ってんのね。
家の方走ってっからもうすぐ付く頃なんだけど・・・。
まぁまずは状況説明としよう
経緯を文で話すのも何なので表にしてみた。
目を覚ます(保健室で)
↓
嘉納先生と話す
↓
バックを持ち学校の玄関をでる
↓
いつも通りに帰る
↓
しばらく歩いたトコから妙に動物がいっぱい居る
↓
動物からビックリするほど視線を浴びる
(↑この時には周りには動物園の比では無い量が居る)
↓
何故か追われる
↓
俺逃げる ←イマココ
えぇぇぇぇぇぇぇええぇぇええぇえぇええ!?
なに、よくわかんないっ
分かり易いかなと思って、表状にしてみたけど自分でもよく分からん!!
玄関出たあたりはまだ大丈夫だったはずだ。
いつも通りに帰っていた。
だか、なんだこれは。
どこのSF??
てか・・・。
周りの人は全然気付いてないんだけど・・・。
どうゆうこと。
心なしか。
今日は人が少ない気がする。
気のせいか?
こういうのはホント・・・
薄気味悪い。
いまが8時近いからか??
いや、そんなはずは無い。
此所は田舎ではないのだ。
都内ほどでは無いにしろ、高いビルは見渡す限りあるし、スーパーはもちろん、ショッピングモール、飲食店なども溢れんばかりにある。
こんなところで人が途絶えるということは、普通あり得ないのだ。
!!!
よしっ、考え事していたら、いつの間にか家がみえてきた。
学校から考えたり、家、ビルが壊されてないところを見ると・・。
おそらく
憶測だが、触れられないし視界に入れられない・・・。
しかし俺は何故か、見えるようになり見えるようになったことであいつ等からも認識できるようになったのだろう。
難儀なことだ。
「キーキー、キィィィィィー」
「!?」
鳴き声だ。
もう家までは数十メートルだった。
後ろを振り向くと、そこにはコウモリの大群がいた。
「キィィーキィー」
「!ぐっぅう・・・か・・はっ・・・」
前を、むき直したときだった。
後ろにいた数匹のコウモリが・・・俺の体内にはいった。
ようにみえた、といった方がこの場合は、正しいかも知れない。
けっこうな激痛に顔は歪めたが、倒れしなかった。
もうすぐで家だ、と頑張った俺は賞賛すべきだと思う。
家の前につき、勢いよくドアノブをひき、勢いよく閉めた。
「お兄ちゃんっ!おかえりー!というか、そんな乱暴にやっちゃダメじゃん。それと遅いっ!心配したんだから・・・て、お兄ちゃん凄い汗っ!顔色も悪いよ!?」
「だだ・・いま・・・。美架乃・・・。」
帰ってきたのに気づき、リビングの方からドタドタと駆けてきたのは、俺の妹美架乃ーみかのーだ。
3つ下の妹でいま中3だ。
「だっ・・・大丈夫!?えっ・・えーと、とりあえず靴脱いでリビングいこう!」
「あ・・ぁぁ」
妹の支えを借りてリビングにいき、ソファに腰を掛けた。
「平気?お兄ちゃん。」
「大丈夫、ちょっと走ってきたら息が切れただけ。」
「うーん、本当に?」
「本当、本当。」
ウーン、と俺の顔をみて、どうしよっかなといった風な表情を見せた。
「・・・んっ、顔色も戻ってきたし、大目に見てやろう。」
「・・・助かる」
中々諦めてくれなかったが、許可してくれた。
「でさ、お兄ちゃん。お風呂とか、ご飯とかあるけど・・・どうする??」
「あーそーだな・・・。じゃぁ――・・」
「プルルルルルルルっ!!」
「・・・電話だ。」
「私が出るねっ」
「頼んだ」
美架乃が電話を取るために受話器の方へと向かった。
しかし不思議なモノだ。
さっきはかなり激痛で、自分でも倒れそうなモノだったからもう少し、悶えるかと思ったのに。
今はビックリするほど、なんにもない。
窓を覗いても、何にもいないから本当に気味が悪い
妹の後ろを見ながらそんなことを考えていると、
「もしもし、鈴倭ですけど。・・・あ、楓くんっ?久しぶりだねっ。」
電話は楓からだったみたいだ。
楓か、ということは、俺かな。
「元気~!?また今度遊びに来てよっ。今日はどうしたの?あ、お兄ちゃん?」
やっぱりな。
と言うか。二人暮らし(しかも妹と)の家で俺以外に何の用があるんだって感じだよ・・・。
「あ~・・・。いまお兄ちゃんは~・・・。」
「いや、大丈夫だよ。」
「でも、」
「大丈夫だって!というか、替わって。心配してくれて、ありがとな。」
「う~お兄ちゃんのお願いなら、しょうがないな・・・。」
「ふふ、ありがとう。」
だいぶ渋った美架乃だったが、何とか承諾してくれた。
しかし、よくできた妹だよなー。
誰に似たんだか。
というか、良いとこを全部美架乃に、持って行かれたような気がするのは・・・、気のせいか?
『あ~あ、相変わらずのブラコンとシスコンだよねぇ・・・。』
「んぁ?何か言ったか?悪い、聞こえなかった。」
『ううんなんでもなーい。』
一番初めにボソッと楓が何か言ったような気がしたが、気のせいだったようだ。
??
まだなんか言ってる??
『ほんっとにあり得ない仲の良さだよね。』
「え?誰が?」
『うわぁ・・・、聞いてたの。盗み聞きとか悪趣味だね。』
「お前がブツブツ何か言ってるからだろうが!」
うわぁ・・・。じゃねーよ!
人聞きが悪いことをいってんじゃねぇ!
「で?何のようだ?」
『あ~・・・。』
「なんだよ・・・。気になるじゃんか。」
なんか、言いづらそうにする楓に俺が首をかしげる。
『・・・、拓磨さぁ。帰りに何も無かった?』
「・・・なんで?」
心当たりがあり過ぎる、その内容になんとなく疑問で返した。
意図は無いが、俺は前から相手の疑問を、普通に返さず遠回りする癖がある。
まぁ、今回の場合は・・・意図も含まれてるかも知れないが。
『・・・はぁ、だから拓磨とこういう話はヤなんだよね・・・。』
また、楓はボソッと告げる。
『だからぁ・・・。俺は・・・、俺たちは外で動物にあったんだけど。拓磨は?』
「それだけ・・・?」
『?・・・それだけって?』
「いや・・・。それなら、俺もそうだった。動物園みたいだったよな。」
『やっぱり?なんか俺たちのことなんか、気にとめてないみたいでさ。』
気にとめていない、ね・・・。
「だよな。なぁ、吹雪が起きたときに周りになんかあったけ?」
『・・・うーん?周りね。俺、よく見れなかったんだよな・・・。』
「だよな~・・・。それが、原因なのかね・・・。」
『まぁ、そう考えるのが一番妥当だよね。』
「そりゃそーだわな。夏に吹雪は突っ込みどころ満載だし・・・。」
『んー、問題は明日だよね』
「確かに」
『今のとこは何にも無いけど、明日にどうなっているかは謎だよね・・・。』
「だな。別々の方が良いのか?それとも・・・」
『いや、別々は危ないんじゃないか?』
「それもそっか・・・。じゃぁ明日俺の家な。」
『了解。』
「雄真はどうするか。」
『俺が連絡しとく~。』
「頼んだ。」
ここで楓との電話は終わった。
・・・しかし、気に掛かったことがあるな・・・。
゛ 気にとめてないみたいでさ ゛
俺はあんな目に遭ったのに?
なのに何故俺は認識された?
何故追いかけられた?
・・・分からないな。
仕方ない。
こうなったら、元をたどるほかはないだろう。
「・・・゛叶野 凜゛ね。」
原因が分かっているのが、不幸の中の幸いと言ったところか。
《それは違うな、小僧》
「!!?誰だ!!」
「お兄ちゃん?煩い!」
「ぁ・・すまない・・・。美架乃、今日俺風呂も飯も要らない。」
「え!?お兄ちゃん!?」
妹を背に俺は階段を上がった。
・・・さっきのはなんだ?
中から這うような声が・・。
それに俺の考えているのが分かったみたいだった。
空耳か?
そう考えていると、自分の部屋の前に来ていた。
部屋の戸を引き入る。
見慣れた部屋を見渡し、慣れた部屋に安堵する。
俺の部屋は中々広く、2つの本棚がある。
手前にある本棚は小説。
あ・・・この本こないだ途中まで見たんだよな。
たしか124ページ。
あ・・・ここだ。
よし、今日のことは忘れて、読書に没頭しよう。
・・・
あれ・・・?
俺・・・、電気付けたっけか?
電球を見てみると、案の定ついていない。
外を見ると真っ暗で月が綺麗に見えている。
時計は丁度9時半を指すとこだった。
・・・おかしい、絶対おかしい。
時計を確認したときも電気を付けてない・・・。
俺、こんなに目良かったっけ?
良くても・・・見えるわけがない・・・。
ページ数まで・・・文まで・・・こんなにハッキリ見えるわけ無い・・・・。
これは、おかしい。
《ふはははは、愉快だな。その困惑したような顔、実に良いぞ。》
「・・・なにが、可笑しい。」
《ほう?先程のような反応はしないのか。つまらん。》
「お生憎と、そんないい性格は持ち合わせていないからな。」
《ふん、それもまた一興。小僧がどんな性格ををしようが、それを儂が楽しむだけよ。》
「随分と古風な言い回しだな?」
《どう思おうが構わん。》
何となくだ。
此所で何となく、漠然とした物だが自分の中から消えていったような気がした。
「!ま・・・まてっ!・・・クソッ」
なにも掴めずに終わった・・・。
なんだいまのは。
器がこうだと、そこに宿り者も難を抱えることになるのか・・・?
あぁ、もう・・・。
何故いきなりなんなんだ。
俺は、昔からそうだ・・・。
昔から、昔から、昔から・・・――
外から聞こえる、昼間あんなに鬱陶しかった蝉の音も今では、遙遠くで鳴いているような気がした。
あぁ・・・。
文才という物はきっと素晴らしい物なのでしょうね・・・。
と言うわけで、文才が欲しいです、ハイ。
コレ書くのにすっごい時間が要るんですけど・・・。
ガクガクブルブル((;゜Д゜))
と言う言い訳は此所までに。
長らくお待たせ致しました。
「夏の中の雪 弐」です! イェー☆
(○´・∀・)o<・。:*゜;+. パ-ン!!
我が作品ながら・・・雲行きが怪しいですっ!
あぁ~。。。
次の作品は・・・何ヶ月後かなぁ・・・?
さて・・・本編について
急展開ですね~。
自分でも何書きたいか分からなくなり、暴走しました。
(`・ω・´)キリッ
自分が作ったキャラでキャラが定まらないのですが・・・(・∀・;)
やっぱ、本職にしている人はスゴいですね、と改めて関心
ワ――゜.+:。ヾ(o・ω・)ノ゜.+:。――イ(?)
拓磨君の中に入ったコウモリとか、拓磨君とテレパシーしてるヤツの関連性はあるのか、とかとか。
楽しみにしてくれると嬉しいです!
では次回も宜しくお願い致しますっ(●・v・人・v・○)