三話 吉良キラ
「そっ、その声……!?」
声を発したのは愚かだった。しかし母は開けるのを戸惑っている。既に僕という存在を訝しげに思ってるのだろう。
「その声は……お」
言わせない!!
「そうだ……僕がキラだ……」
………………。
「誰よアンタァーー!!」
破竹の如く開くドア。
「ヒイィ…」
僕の小さな悲鳴はその後、容易にかき消される
「ギィィヤァアァァッッ!!」
人間とは思えぬ高音域の叫び声だった。
「あ……あの子が……おおお女の子を……家で……」
ハッ!!
ガッデム!!
今僕の体は女の子。それに全裸である。母が想像した状況は語るに忍びない。
僕は修羅場という猥雑された空気の中で困惑しながらも、母の誤解を解こうと試みる。
「ち、違うんだよ母さん」
「『母さん』……だと?」
僕は火に油、そしてガソリンとニトロをぶちまけてしまった
「どこの馬の骨か分からん女に『母さん』呼ばれたくないわ……呼ばれたくないわ」
「ちょっと朝から喧嘩しないでよ!!」
どっから湧いて出た……妹よ……
「あっ……彼女さ―」
「セイッッ!!」
「ぅ゛ぼぇえ゛!!」
母の手刀が妹の喉元へ炸裂する。その時口から吹き出した妹の大量の唾液は床を濡らした。
「『それ』についてはまだ確定していないわ……ねぇ?吉良さん……」
先刻名乗った名前とは惜しくも外れているがまるで、そうキングクリムゾンを有していてそうな
そんな名前だなと思った