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一話 高校デビュー
「びっくりさ」
朝起きて、鏡を見た。
僕はこれでもかという
ぐらい目を見開いた。
「ちょっと……これ……」
おっと!
別に驚いてるわけじゃあ
ないぜェ?
しばらく固まったけど
大丈夫だぜ
こういうのだって
想定済みなんだぜ
高校デビューというのは
人を大きく変える。
薄幸で寡黙な女子が
髪を金に染め、
乱れた日本語を話しても
おかしくない、
そんな時代なんだよ!!
下手すりゃ性別だって
人種だって変わるかも
しれない
だから僕が女の子に
なっても、それは
非日常ではなく日常の
始まりなんだなと
思うことにしました。