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この映画は夜間限定上映です。  作者: 金平紫黄
1/5

人生全てうまくいくはずだった。

  就職、それは誰もが社会に出てお金を稼ぎ生活していくための必須条件。口が達者のコミュニケーションお化けや容姿端麗の奴らがすごくいい職場環境で給料をたくさんもらって楽しそうに人生を謳歌し生活をする中、たとえ上司に理不尽にキレられようが手取りが安かろうが体と心がすでに限界を超えていようがやらなければ生きていけないと自分に言い聞かせて無理矢理体を動かさなければいけない者たちがこの世にはたくさん存在する。僕は電車で通勤している人や街中を歩く目が死んでいる人を見てはこんな大人にはなりたくない、そう思った17歳の夏。


  

  だから僕は必死に努力した。大手企業に就職したい、となればまずはいい大学に行くことが最大の近道となると言える。僕はこの残り高校生活を僕の輝かしい未来のために全てを捧げた。軽音楽部と勉強をうまく両立しながらテストの成績は常にクラス、学年ともに常にトップ、部活を引退してからは勉強に十分に時間を使うことができるようになり、模試の結果はとても良好で判定も全てA。努力は全て報われる。なんて素晴らしいんだ。先生や親にも期待され挑んだ大学受験。結果は見事合格。それに加えて学費全額免除の首席だ。頑張って本当に良かった。心からそう思った。人生できないことなんてない、頑張りさえすればなんでもできるんだ。そして僕は輝かしい春を迎えた。



  晴れて大学生活がスタートした。一年生のうちから資格を取ったりボランティアに参加したりして少しでも自分の武器を身につけよう。そう思っていた。だが、大学生活が楽しすぎる!!バイトしながらサークルに行っては友達とオール、そこそこ顔もよく体つきのいい彼女に持ち、ザ・大学生って感じの理想の生活を送っていた。結局なんも資格取ってないしボランティアのボの字もなかったが就活は大学のネームバリューでなんとかなると思いなんの対策もせずに俺は遊びまくっていた。だが、現実は甘くなかった。書類は普通にどこの企業でも通った。問題は面接だった。なんの面接対策もしてこなかったプラスなんの資格もガクチカもないイコール最悪だった。特にコミュ力に長けているわけでもなかったのでもうなす術がなかった。何回見たかわからない不採用の文字、内定ゼロでお先真っ暗だった。友達は俺と遊んでいたのにも関わらず密かに裏で頑張っていたようで見事に大手企業内定を勝ち取っていた。この裏切り者どもめ。高校時代の友達も俺が通っている大学よりもはるかに下の大学に通っていたにも関わらずコミュ力お化けなのでかなり良い企業の内定をもらっていた。


『お前就職どこ決まったの?』


『俺はソナーから内定もらったよ。』


『マジで!すげーじゃん!お前やっぱ流石だわー』


『あはは・・・』


(嘘ですまだ決まってないです勘弁してください神様ごめんなさいバレませんように)



  就職のことを聞かれるたびに息を吐くように嘘をついていた。正直に話すのはとてもじゃないが恥ずかしくてできなかった。ついには親にまで嘘をついてしまった。すごく喜んでくれた。胸が痛くなった。もうどんな顔したら良いのかわからない。俺は最低最悪の男だ。余裕ぶっこいて遊びまくっていたあの頃の自分を本気で殴りたい。あそこまで努力しといてなんで放棄したんだ。あんな目が死んだ大人にはならないと頑張ったはずなのに俺は今まで何をしてきたんだ。このままじゃニートまっしぐらじゃねえか。結局口だけだったんだ。自分を過信しすぎた。あー今まで何やってきたんだろう。それから俺は考えることをやめた。




  


  

読んでいただきありがとうございます!書いたのは今回初めてなので何か改善点などがございましたらコメントで教えていただけると幸いです。

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