どうも。神様に呼ばれました
だいぶ前に書いてたやつを手直しして投稿しました。
何話か続いた後は、人気出たら続き書きます。(◍︎´꒳`◍︎)
「お久しぶりです、シュウさん。ついにこの日が来ましたよ!」
真っ白な部屋で俺が目を覚まして早々、金髪の少年が興奮して話してきた。いや、君のことは記憶に無いぞ。
「すまん。君は誰なんだ?あとここはどこだ?俺は部屋で寝たはずなんだが」
「あ、そうでした。夢で会ったのは起きたら忘れるんでしたね。ではもう一度自己紹介しましょうか」
少年は前髪を軽く整える仕草をした。身長こそ小さいがかなりのイケメンだ。
「私はアポロン。時と運命を司る上級神の一柱です。冬崎愁さん。先週の夢であなたと約束した異世界転生の準備ができたのでお呼びしました」
うーん、なるほど。よく分からんな。
「ではこれでどうですか?」
アポロンが何を無い所を指で突くと、波紋状に空間が歪んだ。丸窓のように開かれた穴からは中世風の街並みが見える。
「これが異世界ってか?」
「そうです。魔力があり、魔法がある異世界です」
異世界っていうから魔法ぐらいあるもんだと思ったが,にしても怪しいなぁ。
「こんなとこに行って、俺は何をさせられるんだ?何か目的があるんだろ」
「はい。この世界は魔法に頼りすぎて文明が停滞してます。だから何でも良いので適度に引っ掻き回して欲しいわけです」
「なるほど。でも俺一人にできることなんてたかがしれてるぞ」
そうだ。いくら異世界人と言っても俺はあくまでただの人でしかない。一人で文明に刺激を与えられることってなんだ?大量殺戮兵器でも作ればいけるのか。
「大量殺戮は流石に遠慮して欲しいところですが……。好きな種族を選べるんで、それでどうにかやってください」
アポロンが何も無い空間を撫でるような動作をすると、液晶画面のような感じで文字が書かれた透明な板が現れた。
「知性ある種族を一覧で表示しました。種族ごとの詳細が表示されてます」
「へえ……こんないっぱい選べるのか。っておい、多すぎないか。この画面、どこまで続くんだよ」
ぱっと見で数十個かと思ったら、画面をスクロールするとどんどん下から文字列が現れた。いやうん、これ全部が知性ある種族だと言うのだから驚きだ。
「おすすめって無いのか。できれば強くて人型のが良いんだけど」
「そうですね……この辺りでしょうか」
彼がまた空間を撫でると、画面の表示が切り替わった。
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【龍族(純血)】
万能型 基礎値A 成長力C
《特性》
状態異常無効、物理耐性(大)、魔法耐性(大)
《特技》
飛行、龍魔法、人化
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【吸血鬼(真祖)】
万能型 基礎値B 成長力B
《特性》
不老不死、吸血欲求、急所(日光・心臓・神聖)、夜目
《特技》
飛行、血液魔法、血魔変換、蝙蝠化、霧化
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【スライム】
魔法型 基礎値E 成長力SS
《特性》
物理無効、食事不要、成長促進、適応、悪食
《特技》
吸収、擬態
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「う、うーん。まあ、人型なんだけども……。いや、人化はともかく擬態は違うだろ」
「他人が見たら同じですよ。ステータス画面以外で種族なんて見られませんし」
「そうだとしても、このチョイスは無いだろ。全部一長一短じゃないか」
「仕方ないですよ。大きな力には大きな代償が付き物ですから」
その点については理解できる。弱点の無い最強生物が居る世界とかクソゲーだ。だが俺は、そもそも戦闘技術が無い時点で弱点みたいなものなんだ。できるだけ強い種族にしてもらわないと。