夢と知りせば
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
元ネタはかの有名な小野小町の一説です。
「いた」
「あ゛?」
声がした方を振り返ると、齢一桁の女童が俺を指して笑っていた。目は玉の様に輝いている。このままトンズラするのも気が引けて、深くしゃがんで目を合わせる。
「お兄さん。夢の中のお兄さん」
最近、童女の夢に出た事なんか、あったかねぇ。しかもこんな見知らぬ童女相手に。考えても思い当たる節はなく。最近行った事と言えば、彼奴の凶運を悪運に変えてやる事ぐらいである。
まぁ女童だって、人違えならぬ神違えくらいするもんだろうし、珍しくはないか。そう思って縁でも繋いでやろうと、頭に手を伸ばそうとした時、また口を開く。
「あのね、夢の中の私は凄く大きくてね、お姉さんなんだよ。それでね、お姉さんだからお布団で寝ると、それだけでお布団が一杯一杯で、他に誰も寝れないの。でもね、夢の中でね、一緒にお兄さんが寝ていたんだよ。狭くて、苦しかったけれども、起きたらとても幸せだったんだ」
「嬢ちゃん。それ、本当に俺か?」
「分からない。だって起きたら真っ黒な影になっちゃったから」
まぁ、そんなもんだわな。夢なんて。起きた途端、現に食われた成れの果て。当の本人にとっちゃ、これだけ覚えていただけでもマシな方か。
「それで良く俺だって分かったな」
「分かるよ。何となく、分かるよ」
女童は『それだけ聞いてくれればもう結構』と言うように、俺の元から離れて駆け出した。随分と距離をとったところで振り返って、笑顔で大手を振る。自由気まま。礼儀礼節など知ったこっちゃない。それが童というものだ。
だから七つまでは神のものなんて言うのかも知れんが。
朝起きた。良く覚えてないけれど、夢を見た。最近は夢見が悪く、頭おかしくなる様なものばかりだったから、漸く此方の世界へ帰って来れた様に思える。
私が見た夢、それは私が自分の部屋の布団で寝ている夢。お一人様の布団故に誰かと添い寝する隙間なぞありはしない。けれどもその時、誰かが添い寝をしていたのだ。
姿は……姿は……恐らく男性? 髪は黒くて長くはなく。確か筋肉質だった気がする。そうしてその狭さ故によく文句を言われるのだ。聞き慣れたエッジボイスで。
――詰めろ。
とね。
まぁ、起きた途端にその人影は黒く塗り潰され、確認も出来ないのだが。
「よぉ。また朝から、ものぐさやってんの?」
「おはようございます。……飆靡様、よもや昨晩……」
「知らね」
全てを聞き終わる事無くぶった斬って、また、北風と共に去って行った。もう少し眺めれば、真実が追えたのかも知れないのに。
タイトルの由来は小野小町女史の和歌
本家大元を載せるのは怖いので、現代語訳でも。
貴方の事を考えて寝たら、貴方が夢の中に出てきたの。
夢だと分かっていたら、決して目を覚まさなかったのに。
多分悪夢続きっていうのは、飆靡様もご存知。
定期的にぶちのめした後に、なに食わぬ顔で居座ってそう。
だからまぁ、考えて寝ますよね。色んな意味で。
夢だと分かったらさっさと目を覚ましそうですが、今回ばかりは真実が知りたいので、最後の一文です。
抜け出したのかも知れないですね。この子の意思が。
七つまでは神のうち
なんて言いますが、自由気ままな故に体質が彼処側に近い。
礼儀礼節を知らぬが故に、反感買って彼処に行くなんて事もあるでしょう。
そんな風に思ってますよ。やっぱり付け加えます。この文。
高熱の時に見る夢が狂ってるのは、ボ○○○○・ボ○○○の亀○○○でお馴染み。
胃炎の時には、幾つもの人面救急車が胃腸の中を走っていく。
コロナの時にはピボットテーブルと、推しキャラがグッズで稼いだ金額の精算。しかも終わらない。
※作者はパソコンスキルは素人以下です。
まぁ、悪夢ですわ。