五話 ドライブを満喫しています
五話 ドライブを満喫しています
三人になって気まずくなった。
サイズは聞かれた事に答えるが、要に対してそんなに喋るほうではない。そしてアックスとはそんなに喋りたくない。
エスパーダの散財は大きいものだと感じつつ、サイズに声をかける。
「なんかエスパーダがごめん」
そう言われてサイズはキョトンとしていた。
「なんで要が謝るの?」
「乗りたかったろ? ハト」
「うーん。確かに載せてもらったら嬉しいけど、私一人じゃ無理だし。運転手さんは危険だし」
サイズは胸を隠した。
「俺は子供には興味ない。好きな人がいるからな」
その言動に要とサイズは驚いていた。二度も胸を見ていて、どの口が言うと言いたくなる。それに好きな人がいると言うのもスルー出来ない。
「あのさ、俺とエスパーダが婚約してるの、知ってる?」
「そんな事は関係ない」
「あるよ。俺が良い気持ちしないから」
要が言うとアックスは黙った。ピリついた空気にサイズは居辛いかと思ったが、目が輝いている。
「エスパーダを取り合ってケンカしてる」
サイズにとって他人のモメ事は歓迎するものであって、イヤなものではないらしい。そういえば彼女はゴシップ好きだった。
「俺のほうがエスパーダに相応しいだろ?」
聞き逃さない質問をサイズにした。
「は?」
「俺は小人族だ。エスパーダも小人族だ。言いたい事は分かるな」
「だけど俺のほうが愛されている」
「俺はハト思っている。今だって乗せてやっている」
かなり渋っていたように見えたけど、やってやった感を出してくる
「は料理を食べてもらってる。おいしいと言ってくれるし、マダムやサイズも気に入ってくれている」
相槌を打つようにサイズは頷いた。そして要は続ける。
「それにエスパーダの料理を俺は問題なく食べられる。アックスはどうかな」
アックスは悔しそうにしている。
置いてきぼりを食ったサイズは目で解説を求めている。要は簡単に説明してあげた。
「なるほど。今のところ要が有利かな」
「俺だって、我慢すれば食べられる!」
言った後、アックスはしまったという顔をした。
「我慢しない分、俺の勝ちだね。麻婆丼でも作るよ」
要は勝利宣言をしてキッチンに向かった。