最終話 サイズはお泊まりする事になりました
最終話 サイズはお泊まりする事になりました
アックスはサイズを乗っける事なく、ハトを担いで帰っていった。帰りはタダで乗せると言っていたのに、あんまりだと思ったが、それには理由があった。
ハトは夜に行動しないらしく、ハトタクシーは昼間だけなのだそうだ。夜はフクロウに乗り換えで営業するらしいのだが、アックスはフクロウを買う余裕がないのだそうだ。だからアックスは泊まる気満々でいたのだが、二人にエロい視線を向けている事が問題視され、エスパーダとサイズの二人がおこなった数十秒の合議の結果、退去を指示された。
これから風呂に入るのに覗き要員がいたら困るからだ。アックスは必死に覗かないと言っていたが、二人が信用できるはずもない。次回遊びに行く時にハトを1日貸切にすると言う約束に変更して、アックスは帰っていった。
デバガメがいなくなったエスパーダ達は風呂に入った。洗面器のお風呂で緩めのシャワーの掛け流しをしている。
要は能に電話した。
「何? お兄ちゃん」
「今日迎えに来れそうか?」
「就がお母さんに気に入られちゃって、泊まっていきなさいって言われた。酒も飲まされて運転が出来ない状態で……」
「能は運転出来ないもんな」
「そうなの。だからサイズを泊めてくれない?」
「分かった。あ、それからサイズの服、持ってきてくれ。ちょっと血で汚れちまったからな」
「血?」
「ああ、ケガをしたハトを超能力で助けてな」
「おばあちゃんになった?」
「いや、それはない。ただその時に血が付いたんで新しい服が必要なわけだ」
「そういえばタクシーは?」
「夜は稼働しないらしくて、お帰りいただいた」
アックスの商売を邪魔しないように、セクハラ認定されていた事は言わないでおいた。
「使えないわね。せっかく気合い入れてサイズの服使ったのに」
「そういえばあの服に使ってたハムスターの毛皮って、どうやって手に入れたんだ?」
能は笑うだけだった。
「じゃあ、サイズの事頼むわね」
了承して、電話を切った。
そこで今日はゴールデンウィークの最終日である事を思い出した。明日から仕事だ。それはエスパーダも同様だろう。要はとある小人に連絡した。