一話 サイズが来るようです
一話 サイズがやってくるようです
ゴールデンウィークも最終日。二人はそれまでどこへも出かけずにまったり家でゲームをしていたが、サイズから要へメッセージが来る。
『これからそっちへ行くね』
拒否権はないらしい。
『エスパーダと待ってる』
と送ると、今度は電話。就からだ。あいさつみたいなものかと思って電話に出ると、彼は何かを当てていた。
「あの、ホントに行っても大丈夫でしょうか?」
「うちは別にどっか出かけるなんて事はないから良いよ」
「すいません。能の実家に行くことが決まってまして」
「ん? 二人は来ないの?」
「はい。もう能のお義母さんに行くと言ってあるので」
「サイズは連れて行かないの?」
「エスパーダさんが、猫に襲われたと聞いて……用心のために」
「あ、そうか。でも一人で大丈夫かな?」
「小人にもタクシーがあるようで頼んでます」
「タクシー?」
「ハトに乗って行くみたいです。気をつけるんだぞー!」
どうやら今サイズを送り出したらしい。
「サイズの事よろしくお願いします」
「晩御飯まで面倒を見るから、俺の代わりに母さんを喜ばせてやって欲しい」
「はい」
就は要の気持ちを受け止めてくれ、電話を切った。
「サイズだけ来るって」
「ふーん、大丈夫なの?」
「ハトのタクシーだって」
「ハトか……最近乗ってないな」
エスパーダがねだる目をしてきたので、要はスマホの画面に逃げた。