因幡の国忠臣 木島吉嗣07
「まだ、半分の力アリ。
わたしの勝ちアリ」
「それで?ウサ」
「次は本気の力で行くアリ」
「おまえの能力は力かウサ」
「そうだ。わたしはアリの力を手に入れたアリ」
「そうか?わたしは兎の力を手に入れたウサ。
兎の能力はジャンプと穴を掘ることウサ」
「じゃあ、今までの力はなんなんだアリ」
「それはもともとの能力ウサ。
獣化する前から力は強かったウサ」
「アリ?」
「そう、うっとおしいアリは踏み潰すウサ」
そう言って兎千代は高く飛び上がる。
そして、落ちてくる。
蟻道はそれをなんとか避ける。
蟻道の横に大きな穴があく。
「ちっ」
極悪ウサギは舌打ちする。
そして、また飛び上がる。
また落ちてくるウサギ、今度は違わずに蟻道の上に落下する。
蟻道は受け止めきれず、踏み潰される。
「やっぱ、アリは踏み潰すのに限るウサ」
まあ、甲殻に守られているので死んではいないだろう。
アリって踏み潰したつもりでも、生きているってあるしね。
殺すほどのこともないだろう。
そう思うわたしの前で、極悪ウサギは蟻道の頭に強烈に踵を落とすのだった。
蟻道は完全に動かなくなるのだった。
「次っ、ウサ」
極悪ウサギは続けて戦うつもりだ。
そこに茶色く光る頭に長い触覚。
横には広いがひらべったい身体。
そして、身体全体が油をかぶったように光っている。
「次は俺が相手ゴキ」
触覚がなんか嫌な動きをする。
「パス、ウサ」
怪力ウサギは近くにいた根津吉殿にタッチをして下がるのだった。




