因幡の国忠臣 木島吉嗣03
因幡城の城下町。
活気のある街に異様な集団が歩いていた。
それは、派手な衣装の異形のものたちの集まり。
あるものには羽があり、あるものには額に触覚が生えている。
10人くらいの集団。
それが市場の中を練り歩いていた。
まるで大道芸人といった風貌だ。
「ここが因幡の国カブ」
「なかなか活気のある街カマ」
「都より民衆がいきいきと働いているアリ」
「ここを滅ぼしたら、都の民を救えるゴキ」
一様に変な語尾をつけて話す。
まるで、猫丸殿たちのよう。
猫丸殿は来る者は拒まずだ。
他の国からいろいろな者が猫丸殿の支配国に流れ込んできている。
その中にはおかしなものもいる。
それは基本的に民衆たちの自治組織によって排除される。
「おまえたち、どこから来た」
大きな男たちが、その集団に問いかける。
市場の自治組織のものたちだ。
かなりの腕利きの集まりだと聞く。
「俺たちは六角衆アリ。
都から来たアリ」
小柄な男が前に出る。
「変な話し方のやつらだ。
この町は来るものは拒まない。
ただ、ここで何かしようというのなら親分に話を通してもらわないとな」
わたしもこの集団には異様なものを感じる。
「お前らに用はないアリ。
俺たちは猫丸を倒しに来たアリ」
「ハハハハハ、おまえらが若殿を…
悪いことはいわん。やめておけ。
そんなことを言ってたら、兎千代の姉御に殺されるぜ」
極悪ウサギのことはこんなところまで鳴り響いているのか。
そういえば、極悪ウサギと凶悪シカが時々城下町で暴れているというのを聞いたことがある。
「その兎千代とかいうのは、猫丸将棋隊アリ」
「そうだ。だから馬鹿なことは考えず、お引き取り願おうか」
「俺たちはそいつらを潰しに来たアリ」
そう言って小男は両側の2人の大男をつかんで持ち上げる。
そして、そのまま後ろに投げる。
投げられた男たちは、10メートルくらい先まで飛ばされるのだった。




