因幡の国忠臣 木島吉嗣07
今度は猫丸殿が弾を弾く。
鉄砲にしては正確すぎる。
これはやばいのではないか。
「銅鑼魏、敵はどこにゃん?」
「はい、今索敵していますが、一キロ四方にはいないみたいでコウモリ」
そんな遠くから、こんなに正確に。
これは、打つ手がない。
この攻撃は避けるしかないのだ。
「わかったにゃん。
金の二鷹匠十三、鉄砲使いを倒してくるにゃん」
「御意、たか」
鳥の羽根を持った戦士が弓をもって、舞い上がる。
鉄砲に対して弓だって?
射程距離が違いすぎる。
いくら剛力でも、100メートルの射程がいいところだろ。
空から敵を探すっていうのも現実的ではない。
「これで安心にゃん。
鷹匠に任せておいたら大丈夫にゃん」
猫丸殿は安心したように歩をすすめる。
次の瞬間、鷹匠殿は下りてくる。
「鉄砲使いを倒しました。たか」
鷹匠殿は不自然な語尾で報告をする。
感情もなく言葉少ない仕事師のようだ。
「デアルカ。にゃん。
鷹匠は成功率100%のスナイパーだにゃん。
鷹の目で空から獲物を探すにゃん」
最新兵器よりわけのわからないアニマル能力の方が上ってことか。
もうこれ以上やばい敵っていないだろう。
猫丸殿たちはどんどん進んでいく。
そのうち、森は終って、視界がひろがる。
これが忍びの里か。
田舎の村という感じだが一段高いところに平城がある。
まだ何キロかありそうだが、あそこに姫が囚われているのだ。
とにかく、あの可憐な姫を人質にしようなんて卑怯なやろうだ。
これが武士と忍者の違いだ。
やつらは勝つためならなんでもやる。
いざ、伊賀美城へ!
「まだ大丈夫そうだから、すこし休憩するにゃん」
気合を入れるわたしの前で猫丸殿が道の側の茶店を指さすのだった。




