伊賀美忍軍 伊賀美半蔵03
「どこに行くニャン?」
いつに間にか目の前に白い耳の少女が座っている。
こいつは因幡白猫に違いない。
噂どおりの愛らしさの幼女だ。
しかし、なぜ、ここにいるのだろう。
普通、人質なんだから、縛ってうごけなくしておくべきだろう。
それなのに、なんの拘束もせずに馬車に座らせておくとはな。
甘すぎる。このような仕事の仕方はダメだ。
たしかに魅了魔法レベルの可憐さを持つ少女だ。
だが、われわれは闇の仕事のプロ。
非常にならなければならないこともあるのだ。
しかし、このような幼女いつでも捕まえられるだろう。
まあ、この程度はいいかもな。
「伊賀美城にお連れします」
「それは、いいとこニャン?」
「ええ、わたしの城ですから。
忍者屋敷と言って、いろいろな仕掛けがあって楽しいところです」
「楽しみだニャン。
白猫は因幡から出たことがないにゃん。
お父さんやお兄ちゃん、猿爺、銀狼、みんな外にでるのを許してくれないにゃん」
「そうですか。
しかし、もう国境を超えています。
因幡からの脱出成功ですね」
「みんな過保護にゃん。
白猫はちゃんとお泊りもできるにゃん」
「そうですね。
しっかりされています」
「そうにゃん。
白猫は大人にゃん」
どう見ても幼女がどや顔で胸を張る。
その姿も可愛い。
「伊賀美にはおいしいものがあるニャン?」
「海も山もございます。
お魚も山鳥も召し上がっていただけます」
「楽しみにゃん。
早く行きたいニャン」
白猫姫は車窓から流れる景色を楽しむ。
珍しいものを見つけると指を指してわたしに尋ねてくる。
これから、お前を助けに来る兄を倒すのだ。
わたしは無邪気に遠足を楽しむ白猫姫を不憫に思いながら幼女の相手をするのだった。




