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乱世だけど呪いで猫ちゃんにされたので惰眠を貪ります  作者: PYON
第3章 白猫姫の誘拐

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将軍家側近 一色弾正01

 わしは一色弾正、昔から将軍家に仕える大名だ。

 京極家が幕府を開いたときから将軍におつかえしている有力大名なのだ。

 本来であれば、一色家が大名をまとめる立場にあるのだが、将軍家のお家騒動以来地方の大名が力を持ち始めている。

 いまや将軍様は都の一部を治めているだけとなっている。

 

 今回、不知火が天下を統一しようとしたが、将軍様の力によって平定された。

 覇王といわれた因幡虎丸を継いだ猫丸が不知火を退けたのだ。

 猫丸の側近、久里秀平によれば猫丸はうつけゆえ、将軍様にとってかわろうなんて考えていないということだ。

 たしかに因幡なんて田舎大名に日輪の国を治めるのは無理だろう。

 ただ、今回のことで調子に乗ってもらっても困る。

 それに、不知火を退けた武は本物。

 都の他の大名は不知火が弱かっただけと言っている。

 しかし、それは負け犬たちの戯言だ。

 わしは、将軍様のまわりに群がる太鼓持ちたちとは違う。

 このままでは将軍家は滅びるしかない。

 本当に将軍家のために命を捨てられる大名なんて皆無なのだからな。

 

 一色家は将軍様と一蓮托生の大名なのだ。

 だから、わしが影で動いている。

 猫丸の武は将来将軍様にとって脅威となる。

 だから、今のうちにてなづける必要がある。

 猫丸に武はあっても知に欠ける。

 あの久里秀平もなかなかの智慧者だが、わしには及ばない。

 とにかく、猫丸の弱みを見つけるのだ。

 あの武をコントロールできれば、将軍家、ひいては一色家は安泰だ。

 そろそろ、因幡を探っていた配下が戻ってくるころだ。


 戦に勝つために一番重要なものはなんだと思う?

 力でも妖術でもない。

 情報なのだ。

 だから、わしは伊賀美忍軍と手を組んだ。

 これからは侍の時代ではない。

 忍者こそ最強なのだ。


「殿、ただいま戻りました」

 わたしの側にいつの間にか黒装束の男が立っている。

 

「それで猫丸の弱点はわかったのか」


「はい。妹の白猫姫です。

 姫を人質にすれば、猫丸はこっちのいうことを何でも聞くでしょう」

 そう言って去ろうとする。


「おまえ、その背中に貼ってあるものはなんだ」


「え。いつの間に」

 忍者は背中についている紙を取る。

 そこには、『次に来たらダメちゅう』そう書いてあった。

 今回派遣したのはそれなりの忍者だ気が付かないうちにこれを貼るなんてな。

 やっぱり、猫丸はあまくみてはいけない。

 わしは忍者からの情報を聞き、次の手を考えるのだった。

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