女神ツクヨミ03
「オオクニヌシ!これはどういうこと?」
オオクニヌシ様の部屋に取り乱したイザナミ様が飛び込んでくる。
「なんでしょうか。イザナミ様」
オオクニヌシ様は立ち上がってイザナミ様を迎える。
「不知火が猫丸に負けたわ」
「そのようですね」
「おかしいでしょ?」
「どういうことですか?」
「不知火にはね。わたしが祝福を与えたの。
その不知火があんなに簡単に負けるなんてありえないでしょ」
「はあ。そう言われても…」
「あのツクヨミとかいう小娘に、そんな高度な呪いをかけるなんてできるわけないでしょ。
あなたクラスが何かしたとしか思えません」
「いえ、わたしは何もしていないですよ。
それにツクヨミも獣化の呪いをかけただけです。
それ以外は何もありません」
「嘘おっしゃい。
そんなわけないわ。
わたしの祝福が新人の呪いに負けるなんて、ありえないわ」
「イザナミ様、おっしゃるとおりです。
新人女神ごときの力で世界を変えることなどできないのです。
だから、これは猫丸くんたちの力、そう考えることはできないでしょうか」
「なんですって。
わかったわ。
今度はわたしも本気で祝福を与えます。
兄のイザナギも相当怒っていますからね」
そう言って大きな音を立ててドアを閉め、部屋を出ていく。
「オオクニヌシ様、すみません。
わたしのせいで…」
「いえ。大丈夫です。
あなたに責任はありませんよ。
世界は神が作るものではありません。
世界を思ったようにしようなんて、神の傲慢にすぎません。
わたしたちは見守ることしかできないのですからね。
世界を決めるのは、そこに住んでいる人々なのです」
オオクニヌシ様はそう言って優しい目でわたしを見るのだった。
第二章不知火天外の野望 了




