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乱世だけど呪いで猫ちゃんにされたので惰眠を貪ります  作者: PYON
第2章 不知火天外の野望

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因幡の国忠臣 木島吉嗣10

 狐面を巻き込んだ爆煙が晴れたとき。

 そこにはさっきとまったく変わらずに狐面が立っていた。

 もしかして、あれって幻とか。


「まだまだだなコン。

 何もわかっていないコン」

 狐面はわけのわからないことを言って、天満宮に背を向けようとする。


「なんだって?

 わたしは崑崙山で10年の修行をして、その上、女神イザナミ様の加護を得ているのだ。

 この日輪でいちばんの術者なのだ。

 おまえのごときわけのわからないものに何がわかるのだ。

 それではわたしの最高の術式をお見せしましょう」

 そう言って天満宮は人型に切った紙を吹く。

 その紙は吹雪のように舞い、地面に落ちたところから何かが生みだされる。


「最上術式、百鬼夜行!」

 紙から生みだされた小さなものはだんだん大きくなっていく。

 そして、いろいろな形態を取り始める。

 それは、巨人であったり、4つ足の獣、翼のある鳥、蛇。

 考えられる限りの化け物となっていく。

 それが、こっちに向かってくる。

 さっきの阿吽とかいうのと同じくらいの力をもっているのであればやばい。

 たよりになるのは猫丸殿、怪力うさぎ、狸姫、羽無殿、狐面、そしてわたしだけだ。

 猫丸殿の顔を見るとめんどくさいにゃんって顔をしている。

 まあ、猫の表情なんてわからないのだけど、そういう顔だ。


 これは簡単にいかないだろう。

 わたしも剣を抜いて前に出る。

 猫丸殿の前に、羽無殿、タヌ姫、怪力ウサギが出る。

 一人頭20位か。

 上等だ。

 

 一番前に出ている狐面が掌を上にあげる。

 そのとたん、空が光る。

 雲の間から光の雨が下りてくる。

 その光があたったところから式神が消えていく。

 まるで粒子に分解されていくように光の砂となって崩れていくのだ。


「まさか、わたしの術が。

 ありえない。

 崑崙山で伝説の幻術士として名高い花神居士様に師事したわたしの術が」


 花神居士、聞いたことがある名だ。

 なんでも、戦場にふらっと現れてその戦を終わらせてしまうという幻術士。

 その正体は謎につつまれ、童子であるとか、老人であるとか、少女、女。

 どれが本当かわからない。

 崑崙山に住む仙人だともいわれている。

 その花神居士に師事するために行者たちが崑崙山に向かうが居士に会えたものはいないという。

 この天満宮はその花神居士に師事したというのか。


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