因幡の国忠臣 木島吉嗣03
なんとか追いついた。
今回は馬を用意しておいたから、なんとかこれくらいの遅れとなった。
それにしても、わたしに対していらないにゃんってなかなか冗談がきつい。
今回はわたしの槍働きが必要だろう。
言っては気の毒かもしれないが、久里殿くらいならわたしの力がなくてもなんとかなるだろう。
しかし、今回は不知火天外。
虎丸殿のライバルであり、龍虎と呼ばれていた存在。
もちろん虎丸殿が虎だ。
武力で押す虎丸殿に対して、不知火は戦術や妖術を使って戦う。
虎丸殿の武に対し、不知火は知と対照的な戦いかたをする武将だ。
間に都をはさんでいる距離感だけでなく、互いに攻め手を欠いていたためにらみ合いとなっていたのだ。
もちろん、不知火とはいつか戦わないとならないと思っていた。
だから、わたしたちもその訓練をしていたのだ。
その力をやっと見せるときが来た。
わたしが駆け付けると、久里殿が倒れており、虎丸殿の前には不知火を含めて5人が立っていた。
こいつらが不知火の中心。
それに対して、こっちは猫、ハムスター、ウサギ、狐、狸。
小動物ばっかりだ。
久里殿が負けたのも、あの門番たちの力が大きかったのではないか。
駛馬殿、牛鬼殿はたぶんわたしと同じくらいの力を持っているだろう。
とにかく、わたしの出番だ。
「猫丸殿、わたし、木島吉嗣が露払いをして進ぜましょう」
わたしは猫丸殿の前に進み出る。
「いらないにゃん。
邪魔だにゃん」
若殿はそう言ってまたすごく嫌な顔をする。
「とにかく、猫丸がむこうから来てくれたのです。
彼を倒して、中央を制しましょう。
これで日輪は統一です。
我々の名は歴史に残るのです。
それと武士の時代は終るのです」
「クリアタマをいじめたお前らは倒すにゃん」
むこうは日輪の国のため、そしてこっちはいじめられた仕返し。
なんか、こっちの戦の理由って子供じゃない?
「皆の者、猫丸を倒しなさい!」
「みんな、不知火をやっつけるにゃん」
2人が掛け声をかけて戦闘が始まる。
この日輪の国の頂上決戦だ。
そのとき、不知火側の地面が持ち上がり、その中から巨大なゴーレムが現れる。
肩の上には仮面の子供を乗せている。
その足が持ち上がり猫丸殿を踏み潰そうと下りてくるのだった。




