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乱世だけど呪いで猫ちゃんにされたので惰眠を貪ります  作者: PYON
第2章 不知火天外の野望

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九里の国大名 九里秀平15

「あなたは逃がしませんよ。

 あなたの首を猫丸に送り届けるのです。

 いくら、猫丸でも動かざるをえなくなるでしょう。

 そして、その時が因幡の最期です」


「わたしを倒しても、若殿は動きませんよ」


「そんなわけないでしょう。

 あなたは因幡連合の中心的な存在。

 そのあなたの首を見て動かなければ、猫丸の求心力はなくなるはずです」


「ハハハ、おまえは猫丸殿をわかっていないな。

 あのお方は究極のめんどくさがりなのだ。

 わたしの首くらいでは動かない」


「試してみましょうか」

 

「そうか。しかし、簡単にはいかないよ。

 わたしも虎丸殿に鍛えられている。

 相当の修羅場をくぐってきたのだ。

 剣には少し自信がある」

 わたしは刀を抜く。

 わたしは剣士というわけではない。

 どちらかというと文人だ。

 だが、虎丸殿の下ではそれは通用しなかった。

 率先してわたしは前線に送られたのだ。

 それはわたしの才能を開花させた。

 虎丸殿の武を見る目は確かだったのだ。

 たぶん…虎丸殿はわたしの才能を見越して前線に送っていたのだ。

 いじりやすいからとか、嫌いだからとかいうのではなかったのだ…たぶん。

 わたしの才能とは生き延びること。

 どんな負け戦でも、生き延びてきたのだ。


 だから、こんなのは慣れているのだ。

 わたしだけじゃなく部下だちもだ。

 変な話だが、負け戦こそ九里の本領発揮の場なのだ。

 だから、今回も猫丸殿の代官としてここに来たのだ。


「では、わたしの力をお見せしましょう。

 あなたたちの首を猫丸への土産としましょう。

 でも、わたしは式神だけではありません。 

 わたしが日輪一の術者であるところを見せてあげまじょう」


「では逃げるぞ」

 わたしは天満宮に背を向ける。

 みっともわるいかもしれないが、これがわたしなのだ。

 そして、走る。

 仲間たちも同じ、わたしの後ろを守るように撤退する。

 

「逃げるのですか」


「ああ、これが九里の戦い方だ」

 わたしはそう言ってスピードを速めるのだった。



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