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乱世だけど呪いで猫ちゃんにされたので惰眠を貪ります  作者: PYON
第2章 不知火天外の野望

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因幡の国忠臣 木島吉嗣01

 わたしは木島吉嗣、因幡の国の侍である。

 虎丸殿に命を助けられてから、因幡の国に仕えている。

 しかし、虎丸殿が亡くなったあとは猫丸殿に仕えている。

 最初は虎丸殿に対する忠義から猫丸殿に仕えていたが、今はそれを抜きにしても因幡のためにとことん尽くすつもりだ。

 というのも、この前の九里との戦いでは猫丸殿たち10人で5万の大軍を退けたのだ。

 その上、とんでもない方法で因幡の国を立て直したのだ。

 そのとんでもない方法というのが、なにもしないにゃんという方法だ。

 猫丸殿やその取り巻きアニマルたちは、拡大思考というのがない。

 本来、国というのは現状維持では衰退すると考えられてきた。

 右肩上がりに国が成長しないと、国は維持できなかったのだ。

 そのためには他の国を攻め属国としていくという方法がとられた。

 それは民を疲弊させていったのだ。

 もちろん、虎丸殿も国のため民のために戦をしていたのだ。

 虎丸殿を魔王という者もいるが、少し好戦的なところがあるにしても、将来を見据えて戦っていたのだ。

 その殿が道半ばにて倒れた。

 殿のやり方はかなり強引であったため、敵も多かった。

 それを継いだのが猫丸殿だった。

 猫丸殿は戦嫌いでごはんと昼寝が好きなうつけだったのだ。

 わたしは因幡の国はおわったと思った。

 他の大名たちも沈みかける船から鼠が逃げるように、先を争って因幡の国を抜けていった。

 わたしにも、九里から話があった。

 だが、わたしは因幡に残った。

 大恩のある殿のご子息である猫丸殿を見捨てることはできなかったのだ。

 恩を忘れずの主君に仕える。

 それが武士道なのだ。

 ただ、この乱世ではそういう哲学は忘れられていった。

 自分の信ずるもののために死ぬ。

 古いサビついた考えかもしれないが、これが木島吉嗣だ。

 そう思って因幡城に籠城しようとしたのだ。


 それなのにいきなり猫丸殿はうって出て九里を討ったのだ。

 わたしはその戦いを見ることはできなかったが、とにかく圧倒的な強さだったらしい。

 わたしが追いついたときには、九里秀平が猫丸殿に土下座をしていたのだ。

 それから、わたしは猫丸殿の傍仕えをしているのだ。

 それは、この城のやつらはみんな、猫丸殿を甘やかせすぎるのだ。

 教育係の猿爺も軍師の銀郎殿も殿には甘いのだ。

 やはり、猫丸殿は虎丸殿のような大殿になってほしい。

 今のめんどくさがり屋で食いしん坊で勉強嫌いな猫丸殿では下の者に示しが付かない。

 だから、わたしが心を鬼にしてお小言を言っているのだ。


 今も仕事を放り出して昼寝をしている若殿を起こしに来たのだ。

 あんのじょう、殿は天守閣の日当たりのいいところで丸まっていた。

 いまでは若殿の人間時代が想像できないくらい猫になっている。


「殿、そろそろ仕事に戻ってください。

 お昼寝の時間は終わりです。

 あんまり寝てばかりいると夜に眠れなくなりますよ」

 猫丸殿は朝だけは早い、夜中4時ごろに起きだして城の見回りをするのだ。

 たぶん、猫の夜行性という習性の名残なんだろう。


 わたしが言い終わらないうちに、若殿は片目を開ける。


「ともだちがいじめられてるにゃん」

 猫丸殿はそう言ってすくっと立ち上がるのだった。

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