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乱世だけど呪いで猫ちゃんにされたので惰眠を貪ります  作者: PYON
第2章 不知火天外の野望

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九里の国大名 九里秀平08

 地面から出てきたのは巨大な腕。

 次にもう一方の腕も現れる。

 首、胸、腹、そうそれは岩でできた巨大なゴーレム。

 

「鞍馬童子の式神は、あいかわらず見事だな。

 わしも負けてられないな」

 そう言うのは。ガタイの大きな修行者。

 

「わしは蘆屋嵐道。

 修験僧じゃ。

 わしも戦わせてもらおう」

 そういうと小山のような筋肉が盛り上がる。

 不知火は妖術師の集まりと聞くが、こいつは武人のようだ。

 刀を構えていないところを見ると、体術で戦うタイプか。

 日輪の国では珍しいが、大陸には拳法家と言って素手で戦う武道家がいるらしい。

 そういえば、因幡の国にもいたな。

 あの、うさ耳と鹿女、刀を使わないのにとんでもない強さだった。


 嵐道は前に出る。

 

「しょせん、相手は素手だ。

 蹴散らしてしまえ!」

 ゴーレムに怯んでいた筒井殿が叫ぶ。

 いくら身体が大きいといっても、ゴーレムほどではない。

 それにこれは一対一の戦いではない。

 嵐道の後ろには、術者ばかりで武人らしきものはいない。

 みんなでかかればなんとかなると思ったのだろう。


 まず槍で突進する侍、まあこれは避けられるだろう。

 しかし、嵐道は避けない。

 そのまま、槍を腹に受ける。

 しなる槍、そう嵐道の身体を槍先は突き抜けない。

 嵐道は上から拳を落とすと槍は折れる。

 まるで、鋼鉄の身体だ。

 次に群がる兵に拳を振るう。

 拳が当たっていないのに飛ばされる兵たち。

 そう、拳を振るのにあわせて衝撃波みたいなものが出ているのか。


 たぶん、こいつは普通の拳士ではない。

 妖術をまとった拳士なのだ。

 さっきの火の玉のような飛び道具はあまり怖くない。

 矢や鉄砲にも命中率が劣るのだ。

 狙って撃つものではない。

 あたればめっけものみたいな攻撃である。


 だが、妖術をまとって戦えるとなると別だ。

 自分の意思で動かせる魔法となって、かなりやっかいだ。

 さっきの式神といい、実践的でこけおどしではない。

 これは、まずい。


 わたしの目の前で、筒井殿の部隊がゴーレムと嵐道にただ蹴散らされ蹂躙されるのだった。

 

 


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