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乱世だけど呪いで猫ちゃんにされたので惰眠を貪ります  作者: PYON
第2章 不知火天外の野望

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九里の国大名 九里秀平06

「大将が前に出てくるなんて、ふざけていますな」

 筒井殿が相手の布陣を見て言う。

 だから、やばいんだよ。

 それはこの前、猫丸殿との戦いで十分教えてもらった。


「たしかに定石ではありませんな」

 適当に相槌をうつ。


「九里殿は術師と戦ったことはありますかね」


「いえ、ただ厄介な相手だと聞いています」


「そうですね。確かに籠城戦には向いているかもしれませんね。

 所詮、弓矢と同じです。

 その上、連発はきかない。

 こういう開けたところの戦いではあまり意味がないですな」


「そんなもんですか」


「ええ、都には妖術を操るやつらがたくさんいます。

 ただ、あまり重用されていないのはそういうことです」


 たしかに妖術師を重用する国は少ない。

 彼らは身分の低いもの、渡来人であることが多く、武士の世界では蔑まれる存在。

 それか僧兵。宗教勢力の中にあり、使いにくい。


「そうですか。

 さすが筒井殿です。

 わたしのような田舎大名とは、知識量が違いますね」

 たぶん、あの布陣なめてはいけない。

 それを確かめるには、このバカをけしかければいい。


「では、そろそろ、一番槍はわたしがもらいます」

 わたしは手をあげる。


「いえ、そうはさせませんよ」


「しかたありませんな。

 一番槍は格上の筒井殿にゆずります」

 これは、『俺がやります、いや俺が、そんなこというなら俺がやるよ、どうぞどうぞどうぞの計』といって、いやなことを人に押し付けるのに使われる古来の方法だ。

 これで相手は引けなくなる。

 あと、自分がやりたいときにやらせてもらう、『押すなよの計』もある。

 このように、わたしは古来の法に通じているのだ。


 筒井殿は魚鱗の陣を引く。

 そう、大将がいることがわかっている中央をつくつもりだ。

 鶴翼の陣とともによく使われる陣。

 とりあえず、お手並み拝見といきましょう。

 わたしも、副将に九里七人衆を呼ぶように命じる。

 そう、この戦はまともに行ってはだめだ。

 とりあえず、やつらの持っているカードを多く確認する。

 それが、今やらなければならないことだった。


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