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乱世だけど呪いで猫ちゃんにされたので惰眠を貪ります  作者: PYON
第1章 猫になった若殿
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因幡猫丸02

「それでは、会議をはじめるにゃん」

 ぼくがそう宣言すると、みんなが頭を下げる。


「あの女神め。

 猫丸様をこんな姿にしやがって。

 今から追いかけて打ち取るガオ。

 たぶん、あの女神を倒したらもとに戻れるガオ」

 角の獅子舞が吠える。

 こいつは猫丸隊一の武人だ。

 

「獅子舞、待て。

 相手は女神だ。

 簡単にはいかないだろう。

 それに女神を倒したからもとに戻れるという保証はない。

 それより、そんなことをしたら神たちの怒りをかってしまう」

 銀将の銀狼が反論する。

 猿翁と並んで猫丸隊の知恵袋なのだ。

 やっぱり、神の怒りはやばいかもしれない。


「銀狼よ。日和ったか。

 先に喧嘩を売ってきたのは神のほうだ。

 こんなことをされて黙っていろというモー」

 いちばん身体の大きな牛鬼も獅子舞につく。


「ただ、さっきの女神はこの世界を救ったらもとに戻すとも言ってました。

 殿、どうしたしましょう。

 我らは殿の意見に従います」

 銀狼の言葉に全員がぼくを見る。


「世界を救うのは嫌だにゃん。

 面倒くさいにゃん。

 それから、神と喧嘩するのもいやだにゃん。

 だから、何もしないにゃん」


「わかりました。

 しかし、このままでいいのですか」


「獣化も悪いことばかりではないにゃん。

 いままでよりも高く飛べるし、速く走れるにゃん。

 それから、狭いところでも通れるし、暗くても目がみえるにゃん。

 あと、しっぽもあって面白いにゃん」


「では、殿の決めた通り、何もしないってことでよろしいですね」

 猿翁がまとめる。

「御意!」

 みんながそう言って会議は終わる。


 ぼくたちは難しいことを考えるのは苦手なのだ。

 だから、のんびりするのだ。

 そういえば、眠くなってきたのだ。

 猫になってから、すごく眠いのだ。

 会議もおわったから、みんなで日向ぼっこでもするのだ。

 ぼくは、ひだまりの中でクルンとまるくなるのだった。

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