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乱世だけど呪いで猫ちゃんにされたので惰眠を貪ります  作者: PYON
第2章 不知火天外の野望

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九里の国大名 九里秀平03

「九里秀平、因幡の国猫丸様の名代で参りました」

 わたしは伊刈高広とともに将軍京極義元の前で膝をつく。


「ご苦労、遠いところをよく来てくれた」

 将軍は我々をねぎらう。

 化粧をした貫禄だけはある感じの人だ。

 武人というより貴族と言ったほうがいいかもしれない。

 ただ、眼光だけは鋭い。

 温厚な笑みを浮かべているが目は笑っていない。

 相当な食わせものの狸おやじといった印象だ。


 ただ、こっちもいろいろ腹に秘めている部分がある。

 おあいこってところだな。

 猫丸殿の強さは認めるが、こういうことはわたしの方が得意だ。

 だから、わたしがここに来たのだ。


 とりあえず、敵は不知火天外。

 今は将軍と戦う時ではない。

 

「我ら因幡の国は将軍様のために命を賭して働く覚悟でございます」

 

「よく言ってくれた。

 援軍はどのくらいじゃ」


「まずは千で参りました。

 準備が出来次第、残り3万が駆け付けることになっています」

 もし、将軍に勝機があると見ればの話だ。


「そうか。

 それは心強い。

 それではさっそく都の防衛に当たってくれ。

 不知火はもう都の近くまで迫っておる」


「御意。

 それで相手とこちらの戦力はいかほどでしょうか」


「今は1万といったところじゃ。

 しかし、皆の話ではあと20万は参じるということじゃ。

 相手は多くて2万じゃ。

 時間を稼げば勝利は確実じゃ」

 みんな、わたしと同じか。

 将軍の威光も落ちたものだ。

 かつては将軍と話せるだけで、涙を流して感激する者もいたのに。

 そういえば、わたしもその一人だったな。

 将軍家の血を引いているとかいうのを誇りにしていたこともあった。

 すごく薄い血なのにな。10代もさかのぼったら、相当のものは親戚となる。

 猫丸殿にあって、そんなことを誇っていた自分がばかばかしくなった。

 これも猫の特性のひとつだな。

 なんか、人間の地位や名誉なんて猫を見ているとばかばかしくなってしまう。

 ふと、私は何をやってるんだろうって考えさせられてしまうんだ。


 さて、それでは負け戦を見物させていただきましょうか。

 不知火はいずれ戦わなくては行けない敵。

 猫丸殿のために、やつらの戦いを見ておきましょう。


「それでは、九里殿、期待していますぞ」

 わたしはそういう将軍に頼もしく微笑むのだった。


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