女神ツクヨミ02
「それで日輪のパワーバランスが無茶苦茶になってるってきいてね。
しかたなく、わたしが骨を折ったってわけ。
たぶん、オオクニヌシさまのミスだわ。
だから、責任はとってもらうとして…」
「イザナミさま。
それはわたしのミスです。
オオクニヌシ様にはなんの責任もありません。
わたしが勝手にやったことです。
全部わたしの責任です」
「あらそうなの?
で、新人女神のあなたが全責任を?」
「はい」
「そんなこと認められると思う?
あなたの指導神はオオクニヌシだよね。
新人神の失敗は指導神の責任。
そのうち、アマテラス様からきつい処分が下ると思うわ」
「そんな…」
「それから、この事態を収拾させるため、対策を講じさせてもらったわ。
それはね、わたしが不知火の国に祝福を与えたの。
これで不知火の国の天外が猫丸を倒してくれるわ。
猫丸が死ねば、おかしくなったパワーバランスも元通りになるわ」
不知火の国って。
イザナミ様の担当地域。
それが力を持つということは、イザナミ様をあがめる人間が増えるということ。
それはオオクニヌシ様の勢力が減退するってこと。
その上、オオクニヌシ様に処分が下される。
そうなると、オオクニヌシ様は日輪の国の人間に忘れられ、消滅してしまう。
「不知火の国には魔法力の祝福を与えたの。
なんか、因幡って獣化することですごい強くなったらしいわね。
でもね、これからはそんな時代じゃないの。
剣で戦うんなんて時代遅れ。
これからは頭を使う時代。
魔法を使えれば、剣が届く前に相手を燃やしてしまえるわ。
そうやってね。武士の時代はおわりを告げるの。
当然、戦国時代なんて終って、平和な時代が訪れるの。
良かったわね。あなたのおかげで世界が変わるのよ」
イザナミは上機嫌に笑って立ち去る。
それにしても、魔法力の祝福って。
S級の祝福で、安易に与えてはならないって教えられた。
世が乱れた時だけ与えられる禁断の祝福。
それを使う機会を与えてしまうなんて。
わたしはこのことを報告するためにオオクニヌシ様のところに戻るのだった。




