九里の国大名 九里秀平03
さて、戦況はどうでしょうか?
あの赤鬼やりすぎなければいいですがね。
因幡の国にも少しは痛い目をみてもらいましょう。
あの国の民は虎丸の支配を受けた他の国よりも税金は安く、優遇されているといいます。
彼らだけが虎丸の庇護のもと肥え太っているのです。
虎丸がいなくなったのだから、その平和は奪われなければなりません。
それにしても、あのバカ虎丸が亡くなっておかげで、奴の手に入れたものをすべてわたしが引き継ぐとは皮肉なものです。
クリアタマとばかにされていたわたしがね。
「本当にクリアタマにゃん」
「わらえるチュン」
「本当にこのモブっぽいのが大将ハム」
なんだ、このお子様たちは…
よく見ると、一人は猫丸。
「ええ、まちがいなく大将の九里秀平様でございます」
「伊刈、何をいってるのです。
もう、因幡の国は落としたのでしょう。
こいつらは捕虜ですよね」
「違います。
先発隊の赤鬼隊は全滅しました。
わたしたち伊刈は因幡に下りました」
「赤鬼はどうしました」
「この猫丸殿に破れました」
「しかし、ここに来るまでに5万の部隊がいたでしょう」
「ほとんどは因幡に下りました。
抵抗した隊は秒殺でした」
猫丸の後ろには9人しかいないではないか。
こいつらに5万が全滅だって。
ほとんどが子供じゃないですか。
さては伊刈が裏切ったのですね。
ただ、わたしも親衛隊には最強の漢たちを置いています。
「ものども!この痴れ者たちをやっつけてください」
だれも動かない。
どうして?
振り返るとわたしの自慢の親衛隊が全員倒れています。
「みんな倒したカア」
「もういないのか。ゲコ」
忍び装束の2人がそこに立っているだけだ。
「クリアタマは因幡の国に攻めてくるニャン?」
猫丸は細い目でわたしを睨みながら問いかけるのだった。




