猫丸将軍側近 木島吉嗣04
兎はいきなり胸元から印籠を出す。
「静まれ、静まれ、この印籠が目に入らぬウサ。
ここにおわすお方をどなたと心得るウサ。
恐れ多くも今の天下の副将軍、羽無太郎左衛門光圀にあらせられるウサ!」
「皆の者、頭が高いシカ。控えおろうシカ」
でも、みんなのびてて聞いているものはいない。
それに羽無殿の名前になにかよけいなものがついている。
もしかして、こいつらこれがやりたかっただけじゃ。
テレビとか見て感化されたのだろう。
さすが兎鹿コンビ。
めちゃくちゃバカだ。
こんなことのために副将軍ってだけで忙しい羽無殿を連れ出したのか。
そもそも、めんどくさい副将軍をおしつけたのこいつらじゃなかったのか。
まあ、こいつらが副将軍になることを考えたら適役なのかもしれないが…
「もう、これでいいハム?
帰って仕事してもいいハム?」
羽無殿は極悪兎に言う。
「また、たのむウサ」
またやるのかよ。
「それと吉嗣もシカ。
グッドジョブシカ」
え?わたし?なんもしてないけど?
「みごとなモブぶりだったウサ。
やっぱりこの役は吉嗣にしかできないウサ」
どういうこと?
「次はこいつはうっかりだぜと言ったりとか、茶店をみつけるたんびに団子をたべたがるとかしてほしいシカ」
まさか!
わたしって?
うっかり八兵衛枠やったんか~い!
一仕事終えて歩くウサシカコンビの脳内にはきっと主題歌の『ああ人生に涙あり』が流れているのだった。
乱世だけど呪いで猫ちゃんにされたので惰眠を貪ります 了
これで、猫丸の話はおしまいです。
これからも猫ちゃんのお話を語っていきたいと思います。
よろしくお願いします。
次回作は別のところで書いています。
もし、見かけたら読んでくださいね。