猫丸将軍側近 木島吉嗣03
「羽無殿、やつらの悪事の証拠をつかみました」
忍は天井から降りてきて羽無殿に報告をする。
あれっ、隠密はわたしの仕事じゃなかったっけ。
でも、羽無殿は隠密から渡された巻物を確認する。
この忍、赤い風車を持っているが。
「よくやったハム。これは言い訳ができないハム。
明日乗り込むハム」
そう言ってこの日は終わる。
翌日、兎千代と鹿御前と待ち合わせる。
やっぱり、1時間の遅刻だ。
そして、4人で代官屋敷に乗り込む。
なんでもこの時間、代官屋敷に悪徳商人がいるとの情報だ。
凶悪鹿が門をけり破る。
えっ?正面突破かよ。
「ものども、であえ、であえ」
わらわらと屋敷に詰めているやつらが出てくる。
武士もいるが、なんかがらの悪いのもいる。
よし、免許皆伝のわたしが出てやつらを蹴散らそう。
前にでようとするわたしを羽無殿が止める。
「木島殿はなにもしなくていいハム」
ウサギとシカが前の敵を蹴散らす。
すぐに奥の座敷にたどり着く。
「お前らは」
「ちりめんどんやのご隠居ウサ」
いや、無理だろ。
羽無殿って若いし。
「もしかして、そのウサギ耳にシカ耳は。
猫丸将軍の将棋隊、極悪兎鹿コンビ」
代官がわたしたちの正体に気づく。
まあ、わかるよな。
極悪コンビって有名だしな。
「みなのもの。ひれ伏せ。
ウサシカに逆らったらとんでもないことになると聞く。
もう、年貢の納め時だ。
おとなしくお縄につこう」
代官がその場に膝をついて、土下座をする。
「違うウサ!われら将棋隊を名乗る不届きものウサ」
それは、相手が開き直った時のセリフだ。
「うるさいシカ!」
そう言って代官を蹴とばす鹿御前。
代官は吹っ飛び柱にぶつかってのびる。
「全員かかってくるウサ」
しかし、残ったものは遠巻きに刀を構えてるだけ。
もう、戦闘態勢ではない。
そこにウサシカコンビは突っ込んでいくのだった。