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乱世だけど呪いで猫ちゃんにされたので惰眠を貪ります  作者: PYON
おまけ 羽無太郎左衛門漫遊記
153/156

猫丸将軍側近 木島吉嗣01

「実は木島吉嗣殿に頼みたいことがあるハム。

 それは木島殿にしかできない仕事ハム」


 わたしは因幡の国将軍猫丸様の親衛隊をつとめる木島吉嗣だ。

 特に役職はないが、因幡城で猫丸殿のお世話をしている。

 わたしが無役なのは、いざというときのためだ。

 大きな組織には、わたしのようなワイルドカードが必要なのだ。

 役についていれば、何かことが起きた時に動きにくい。

 だから、猫丸将軍は能力のあるわたしを城においているのだ。

 ときどき、お前はいらないにゃんとかいわれるけど、それは殿の愛の証なのだ。

 そんな冗談を気軽にいえるほど、身近に感じておられるのだ。

 そして、ついに副将軍をつとめられている羽無殿から呼び出しがあった。

 それはわたしにしかできない仕事らしい。


「わかりました」

 わたしは、二つ返事でお引き受けする。

 羽無殿は猫丸将棋隊と言って殿直属の部隊の9の歩を命じられている豪傑だ。

 しかし、身体は小さくすごく謙虚なナイスガイだ。

 それから剣術の達人でもある。

 そのストイックな性格から副将軍に命じられている。

 その重責を十分にはたしているのだ。


「それでは詳細をお話しするハム。

 ここから北に位置する越後の国、そこで代官と商人が結束して民を苦しめていると言う情報が入ったハム。 

 それをやめさせようと思うハム」


「わかりました。

 越後の国に行ってその代官と商人をわたしが懲らしめてきましょう」

 権力者の悪行、民たちはやめさせようとしても簡単にはいかない。

 だから、わたしのような高位の御家人に悪人たちを取り締まらせるということだろう。

 

「違うハム。

 ぼくが越後の国に行くからついてきてほしいハム」


「わかりました。

 副将軍の護衛ってことですね」


「うん、だいたいそんな感じハム」

 羽無殿はわたしの答えに口ごもる。

 表情はさえないし、なんかひっかかりはあるが、この際羽無殿のために一肌脱がせていただこう。

 

「ではいつから参りましょうか?」


「明日だハム。

 それとあくまでお忍で行きたいので、町人の恰好でたのむハム。

 頭に手ぬぐいなんて巻いてきてほしいハム。

 また、越後の食べ物の情報とかも調べてほしいハム」

 そういうことか。

 まだ、確固たる証拠もないんだろうな。

 だから、お忍で証拠をつかんで糾弾する。

 それが今回のミッションだ。


「承知しました。

 明日までに用意いたします。

 それではこれで」

 わたしは部屋に帰って旅の準備をするのだった。


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