表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乱世だけど呪いで猫ちゃんにされたので惰眠を貪ります  作者: PYON
最終章 邪神スサノオ降臨
142/156

因幡の国忠臣 木島吉嗣19

 たぬ姫が生きていたのなら、稲荷殿も…

 わたしはわずかな希望を持って首がなくなった稲荷殿を見る。

 やはり、稲荷殿は動かない。


 しかし、いつの間にか空に紙片が舞っている。

 まるで紙吹雪のように。

 その紙片は人型になっている。


「何、これ。

 いつのまにこんなの撒いたの?」

 イワナガヒメはまわりを見回す、

 

「コーーーン」

 甲高い声が響き渡る。

 そのとたん、紙片は実体となる。

 紙片は狐面の術師の姿に変わっていく。

 イワナガヒメの目の前にたくさんの稲荷殿が現れる。


 もしかして、さっき首がなくなったのも式神だったの?


「そんな目くらまし通用するかよ」

 イワナガヒメは魔法を展開する。

 さっきと同じように、すべての稲荷殿に対して光の帯を撃とうとする。

 たくさんの稲荷殿も魔法陣を展開する。


「無駄だよ。神に人間の術は通用しねえよ」

 イワナガヒメがそう言うと、その前に展開された魔法陣から光の帯が伸びる。


 その光の帯は式神たちの魔法陣を正確に捉える。

 

「おまえの魔法なんて壊してやるよ。

 そして、わたしの魔法はおまえの式神を全員貫く。

 ジエンドだよ」

 イワナガヒメはそう言って親指を地に突き立てる。


 そのとたん、光の帯は式神たちの魔法陣に当たる。

 しかし、そのエネルギーは魔法陣を貫かない。

 もちろん破壊もしない。

 エネルギーはそこで跳ねかえされ、すべてイワナガヒメのところに戻っていく。

 無数のエネルギーの集合体はイワナガヒメを吹っ飛ばす。

 

「鏡の陣コン。

 すべての魔法を増幅して跳ねかえすコン。

 神の魔法なら、あなたにも通じるコン」

 そう言って、空から稲荷殿が降りてくる。


 稲荷殿が地上に降りて、指を鳴らす。

 そのとたん、すべての式神は紙片へと戻って、風に舞う。

 その紙吹雪の中を稲荷殿はゆっくりと歩く。

 

 これでスサノオの陣営はオロチとスサノオを残すのみとなった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ