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乱世だけど呪いで猫ちゃんにされたので惰眠を貪ります  作者: PYON
最終章 邪神スサノオ降臨
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因幡の国忠臣 木島吉嗣15

 つぎつぎと撃墜される鎧武者たち。

 稲荷殿の式神は、一歩も動けないまま、消えていく。

 やはり、術式では神に一矢を報いることもできないのか。


 そのうち、光線は直接稲荷殿を襲い始める。

 重力に逆らうように、ひらりひらりとそれを躱す稲荷殿。

 まるで宙に舞う花びらのように。

 時々、指を銃の形にして稲荷殿も光線を放つ。

 それは、イワナガヒメに比べて細く短い。

 あまりにもか弱い攻撃だ。

 もちろん、イワナガヒメは鼻で笑って弾いてしまう。

 全然、倒せる気配はない。


 それにくらべて、イワナガヒメの攻撃は稲荷殿にかすっている。

 もう、稲荷殿の着物はボロボロだ。

 狐面のせいで表情はわからないが、かなりやばい状況だ。


「無駄無駄。

 おまえに勝てる可能性はまったくないわ。

 いいかげん認めろ」

 イワナガヒメのほうが少しイラついている。

 稲荷殿が人間ごときがここまで逆らうとは思っていなかったのだろう。


 イワナガヒメの放つ光線の数が多くなる。

 数撃ちゃあたるといった感じか。

 ついにその一発が稲荷殿に当たる。

 稲荷殿の動きが止まる。

 そこに次の光線が迫る。

 その光線は稲荷殿の頭に当たる。

 空に舞い上がる狐面。

 そして、後ろに倒れる稲荷殿の頭がなくなっている。


 たぬ姫に続いて、二人目の犠牲者だ。

 それも残酷な形で。


「もう、降参したほうがいいわ。

 そうしないとお前たち全員こうなるわ。

 いくらバカの獣人でも、この力の差はわかるでしょ。

 わたしたちも暇じゃないの。

 この後、オオクニヌシと戦わないとならないの」

 イワナガヒメは将棋隊に降伏を勧める。


「わかったか。猫丸。

 お前らごとき、神の前では無力なんだよ」

 スサノオが若殿を指さす。

 

「デアルカ」

 若殿は前に出る。

 いつもの緩んだ顔ではなく、細い目でスサノオを睨む。

 獲物を見る顔だ。って猫の表情はわかりにくい。

 何を考えているか全然わからない。


「とりあえず、お前を倒そう。

 そうすれば、俺たちに逆らっても無駄なことがわかるだろう」

 スサノオはそう言って若殿に対峙するのだった。


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