表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乱世だけど呪いで猫ちゃんにされたので惰眠を貪ります  作者: PYON
最終章 邪神スサノオ降臨
131/156

因幡の国忠臣 木島吉嗣10

「この小娘がわたしの相手ですか?

 わたしはヒルコ。

 始原の神です」

 長髪の細い男が前にでる。

 そして、腕を振る。

 その腕が伸びて、狸姫を襲う。

 たぬ姫はそれを避ける。

 ヒルコの腕は戻ってくるときに枝わかれしてまた狸姫を襲う。

 こいつの腕、まるで半液体のよう。

 

 たぬ姫はそれを避けながら木の葉を頭にのせる。

 伝統的な狸の変身の仕方だ。

 たぬ姫は煙につつまれる。

 煙が晴れた時、そこには羽無殿がいる。

 いや狸の尻尾が生えているから、羽無殿ではない。

 ヒルコに向かって刀を構える。

 その堂々とした構えは羽無殿そのものだ。

 たぬ姫は姿だけでなく、技も真似るのか。


「ほう、変化ですか。

 お手並み拝見といきましょうか」

 ヒルコは笑って腕を伸ばしてくる。

 それをたぬ姫は刀で斬る。

 見事な剣技だ。


 ヒルコの腕は地に落ちる。

 その腕はすぐに跳んで元のところにつながる。

 まるで半液体で出来ているような身体。

 刀は効かないようだ。


 たぬ姫はバク転して、元の姿に戻る。


「たぬ」

 そう言って、手をかざすと炎の弾が跳ぶ。

 それは、ヒルコの腕に当たる。

 ヒルコに物理攻撃は通用しない。

 だから、術というわけか。

 このたぬ姫、ウサギとかと同等かって思ってたが、なかなか頭が切れるのかも。

 それに変身だけでなく、火の術も使えるのか。


 しかし、ヒルコの腕は無傷。

 燃えていない。

 火には強いのか。

 

「たぬぅ」

 タヌ姫がまた手をかざす。

 もう火は効かないよ。

 しかし、たぬ姫の掌から白い煙。

 もしかして、あれは冷気。

 ああみえて2属性の魔法が使えるのか。

 たぬ姫の煙が当たるところから、ヒルコの腕は白く凍り始めるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ