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乱世だけど呪いで猫ちゃんにされたので惰眠を貪ります  作者: PYON
最終章 邪神スサノオ降臨
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因幡の国忠臣 木島吉嗣08

「なかなかい相撲であった」

 ノミノスクネはそう言うと、何かを吐き出す。

 それは折れた歯、そうカウンターで放った熊野坊の張り手で折れたものだった。


「おい、スクネ。

 人間如きにそのざまはなんだ」

 ヒノカグツチはノミノスクネを咎める。


「いや、この将棋隊、あまり舐めない方がいい」


「それはお前が弱いからだよ」

 そう言うヒノカグツチのまえには、小さな剣士が立っている。

 柴犬之進殿だ。

 少年剣士みたいだが、居合の達人。

 柴犬の顔になんとも癒されてしまうのだが、その強さは本物だ。


「香車の二、柴犬之進だワン」


「お子様剣士か。

 つまんねえな。もっと強いのと戦わせろ」

 そう、柴殿と戦うやつはこう思ってしまう。


 柴殿は静かに剣の柄に手をかける。

 そのまま走る。

 そのまま、ヒノカグツチに飛び掛かる。

 なにかが一閃する。


「あぶねえな」

 そう言って頬を撫でる。

 そこには一筋の赤い線。

 柴殿の剣を紙一重で躱したのだ。

 しかし、さっきの舐めた態度はなくなる。

 柴殿をきちんと敵認定したのだ。


 ヒノカグツチは剣を抜く。

 剣士どうしの戦いだ。


 そして、柴殿はヒノカグツチの懐に入っては剣を一閃させる。

 しかし、その剣撃はヒノカグツチに剣に弾かれる。

 柴殿はその小さな体でくるくると動く。

 トリッキーな動き。

 ヒノカグツチはその動きについていってる。

 しかし、完全に余裕があるとはいえない。

 なんとか避けているというのが正しいかもしれない。

 その証拠に腕や足が傷だらけになっている。


「そんな攻撃では俺は斬れないよ。

 しかし、うっとおしいな。

 しかたない。もう終わらせてやろう」

 ヒノカグツチがそう言うと、手に持った剣が炎をまといはじめるのだった。 

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