男神イザナギ02
「新人女神が間違えて猫丸に獣化の呪いをかけたということか」
「そのとおりです。
ただの新人女神の間違いです」
「俺も八角に虫化の呪いをかけたんだけどな。
俺の力は新人女神にも劣るってか」
「いえ、そんなことはありません。
イザナギ様の呪いなら能力は10倍以上になっているはずです」
「だろ、それに比べて獣化は数倍だよな」
「ええ、しかしツクヨミはなかなか神力の高い子です。
5倍以上になっているはずですが」
「それなら、八角が負けるなんておかしいだろ」
「いえ、八角の元の力は猫丸たちほどではありません。
例えば八角の傾奇者を1とすれば猫丸たちは10以上。
1に10をかけても10。
そして10に5をかけたら50です。
決してイザナギ様の神力が低いというわけではありません」
「そういうことか。
わかったよ。
猫丸たちの強さが」
「恐れいります」
「しかし、その異常なつよさ。
日輪の国に災いをもたらすかもしれないな。
たぶん、アマテラス様が知ったら、お怒りになるよな」
「それは、わたしからアマテラス様にお話します。
もし、お怒りになるようなら、上司のわたしが責任を取らせていただきます」
「聞いたぞ。では、お前の責任で処理をするんだな」
「はい、わかっています。
それでは」
礼をしてオオクニヌシは去っていく。
「イザナギ、このままにしておくつもり」
イザナミがわたしに問う。
「そんなわけがないだろ」
「そう、もしかして奴らを使うの」
「ああ、黄泉の牢獄に行くぞ」
「やっぱり、わたしも御伴していいかしら」
俺たちは、あの外道共を解き放ちに黄泉の牢獄に向かうのだった。