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因幡の国忠臣 木島吉嗣22

「おもしろい技だウキ」

 そう言って歯を剥き出して笑う。

 

「どういうことだカマ」


「真似させてもらったウキ。

 わしの能力は猿真似ウキ。

 なぜか、相手の能力を真似ることができるウキ」


「まさか、こんなに簡単に俺の技を習得できるわけがないカマ」


「では試してみるウキキ」

 猿爺は大蟷螂を挑発する。

 大蟷螂の鎌が再び猿爺を襲う。

 今度は猿爺もそれを避けずに真向から受け止める。

 長いリーチからの攻撃、それは猿爺に届かない。

 すべて、杖で受け止められる。

 もう何でも斬れる鎌は猿爺には通用しない。


「嘘だカマ」


「わかったかウキ」


「しかし、おまえも俺を斬ることはできないカマ

 おなじ能力なのだからカマ」


「そうかなウキ。

 それでは、わしの能力を見せてやろうウキャ。

 若殿とか姫のようなでたらめな能力は真似できないが、この程度なら造作ないウキ。

 そればかりではない。

 わしの猿真似は本質を真似るウキ。

 理を真似るウキ。

 だからわしの猿真似は本家を超えることができるウキ」


「ぬかせカマ」


「ではたしかめてみようウキ」

 そう言って黒い刃の杖を構え大蟷螂の懐に入る。

 長い手足は超接近攻撃には不利だ。

 しかし、大蟷螂の武器は短い。

 その上、その鎌は腕と一体化しているような動きをする。

 斬り上げる仕込み杖を鎌で受ける。

 そのとたん、大蟷螂の鎌が砕ける。

 返す刀でもう一方の鎌に杖をぶつける。

 もう一方の鎌も砕ける。

 大蟷螂の能力は武器に闘気をまとわせる武技。

 それを完全にマスターし、超えている。

 

「わかったかなウキ」

 そう言って、猿爺は大蟷螂の腹に黒い闘気をまとった拳を叩きこむのだった。


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