表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
107/156

因幡の国忠臣 木島吉嗣18

 その時空から、羽無殿を襲う影。

「あぶないハム」

 羽無殿は回転して避ける。

 空には4枚羽根の傾奇者。

 蜂とは動きが違う。

 虫はヘリコプター的な飛び方をするのが多い。

 鳥に比べて飛ぶのは遅いが、小回りがきく。

 しかし、さっきの影は速い。


 将棋隊にも飛べるものがいる。

 紅雀が飛び上がり追いかける。

 しかし、追いつけない。


「待つチュン」


「待てないなトンボ。

 わたしは昆虫で一番飛ぶのが速いのだトンボ」

 こいつはトンボ虫人だ。

 トンボと言うのは、昆虫ヒエラルキーの頂点にいる。

 つまり捕食する側なのだ。

 その中で最大のオニヤンマは雀蜂すら捕食するという。

 

 あの雀娘が逆に追われることになっている。

 普通なら鳥のほうが大きいのだろうけど、ここではトンボ人間のほうが大きい。

 

「わしはトンボ虫人、鬼面蜻蛉、トンボ。

 空では最強の傾奇ものだトンボ」


「うちは紅雀、歩の六だチュン」


「雀は虫にとって天敵トンボ。

 しかし、ここではそれが逆転するトンボ。

 獣を含めてもトンボが空の王者トンボ」


「逃げるチュン」

 そう言って飛ぶ紅雀。

 その後ろに蜻蛉が張り付く。

 そして、剣を抜く。

 紅雀も短剣を抜く。


 ただ、空での戦いは追われるほうが不利。

 左右に動いて攪乱しようとする。

 だが、蜻蛉は余裕を持ってついていく。

 見極めて剣を振る。

 これは避けきれない。

 そう思ったとたん、金属がぶつかる音。

 蜻蛉の刀を受け止める黒い腕。


「烏丸小太郎参上カー!」

 黒装束の忍者は、そう言って戦いを引き継ぐのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ