あなた誰ですか!?
「お兄様!!大丈夫ですか!?」
バンッと思いっきりドアを開けてお兄様の部屋にはいる。
「リリー!?私を心配して来てくれたのか!」
………あれ?元気じゃん………。
拍子抜けした私は、その場にずるずると座り込んだ。
ここはライお兄様の部屋。ライお兄様っていうのは、
ライラ・ベドフォード 私の二人のお兄様の双子の弟の方。つまりベドフォード家の次男。ライお兄様は頭がとってもよくて、経済学も数学も物理学も薬草学も、もちろん魔法学も。とにかく学問や魔法の事は全般できる頭脳の天才。
さっきの爆音はライお兄様の部屋からだっていうから来てみたけど………。
「今日も可愛いな。リリー。」
特に異常はなし。
「ライ?何があったの?」
「お母様。」
「どうせまた魔法の研究でもしていたんだろう。」
「お父様まで。三人揃って何してたんですか?」
「ちょっと大事な話をな。それより、今回は何の魔法だ?」
お父様が部屋にはいってきて斜めっている額縁を魔法でもとに戻した。
「転移魔法です。」
「転移魔法ですって!?」
お母様が口にてをあてて叫んだ。私はもう笑うしかない。転移魔法は超上級魔法。お兄様は今12歳。ちなみに基準を示すために言うと、転移魔法を使えるようになる人は、40年経験を積んだ王宮に仕える王宮魔法士のようなレベルの高いひと。それを12歳で使うとは………
さすがだわ。
「今ちょうど帰ってきたとこなんです。そしたらなぜか魔方陣が爆発した。」
で、魔法で直したと。さすが小説、レベルが違う。
「ライお兄様!私も転移してみたい!」
突然そんなことを言い出した私を見て、お父様がぎょっとしたように言った。
「リリー。まだ七歳なんだぞ?」
「はい。でも魔法は使えるし、ライお兄様もいるから心配ないよ!」
ねーっとライお兄様をみる。
「ああ、もちろん!」
「でも………。」
「あなた、いいじゃない。ライに任せておけば心配ないわ。」
お母様がお父様の腕に手をおいていった。
さすがお母様!
「私も今度つれていってね!」
目的はそれね。
うなずいてライお兄様のところへ駆け寄った。足元にすごく細かい魔方陣が浮かび上がる。ワクワクしながら待っていると、ライお兄様が手を繋いできた。
「行くよ、どこがいい?。」
「えーとね。海の見えるとこがいいです。」
途端にものすごい波にのまれる。私の言葉か作動の合図だったみたい。
うっ重っ!先に言っといてよ!
超上級魔法なだけあって魔力が半端じゃない。
隣でライお兄様は平然とした顔で私を見ていた。大丈夫か、と聞いてきたお兄様にこくこくと頷いて、流されないようにしっかりライお兄様の手を握っていた、のに。
ズルッッ!
「え!?」
突然ライお兄様の手がほどけた。お兄様が焦ったように私に手をのばす。転移中に発動者の手を離したらどこに飛ばされるか分からない。これは転移魔法の基本だ。私も必死で手を伸ばした。
クスクスッ クス。
え、誰の笑い声!?私とお兄様の手の間に光が割り込む。
これ………!精霊だ!光のせいで私の手は空を切る。
「きゃぁぁぁぁっっ」